ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

プラスチック米

2017年03月12日 | インチキ・疑似科学
中国ではプラスチック米というものが作られ、それが販売/輸出され大問題になった、という話は概ね事実のように語られている。しかしこの話を最初に聞いたとき、私には疑問しかなかった。

まず、中国において米は相当に安い。高級米として知られる五常香米でも10キロで1500円程度。
ブランド米でなければ1000円買ったら重くて持って帰れない。スーパー等に出荷できないものならさらに安いだろう。
そんな商品に偽物を作るメリットがあるのか。
次に、米の形にプラスチックを成型する方法がすぐには思いつかなかった。インジェクション成型であれば手間のかかる射出口の後処理が必要だし、またバリが出ないようにするためには金型がかなり高価になる。
熱プレスで作れるとも思えない。棒状に押し出したものをカットすることでそれらしいものは簡単にできるが、見た瞬間米でないことはわかる。
また、白いものをつくるためには高いバージン材を使わなければならない。
いずれにしても生産の手間と本物の価格とのバランスから、また消費者に確実に偽物だとわかってしまうという点(商売は一発で終わってしまう)から、常識的にあり得ない話だと思っていた。

ということで、この話は相当疑っていたのだが、やはりどうやら本当にプラスチック米が存在したという裏は取れてないらしい。最近ナイジェリアでプラスチック米だと騒がれた米もその後の分析で化学成分は出なかったという。またYOUTUBEで出回っているプラスチック米工場の動画はたんなるプラスチックペレット工場。

中国であるのは前出の五常香米の偽物で、これに香りを似せるために化学物質を添加するというようなことはあった(いまでもある?)が、どうやらその話からでてきた都市伝説、ということのようだ。