ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

パナソニック DSRC車載器を発売

2010年02月23日 | ITS
パナソニックはETCの有料道路料金支払い機能に加え、高速道路上での広域な道路交通情報や安全運転支援情報等のDSRCサ―ビスに対応したDSRC車載器を発売する。
ニュースリリース

今回、高速道路1000か所にDSRC路側機を設置する予算250億円が、民主党の仕訳をすりぬけ実行される。
(話題にもならなかったようですが。一方警察のDSSSはカットされたようです)

しかし、現時点ではそれに対応するETCはほとんど存在しない。レクサスにオプションで用意されている程度。
つまりは、DSRC路側機の250億円はこのままでは全く無駄金になる。

従って、DSRCの路側機を納入しているパナソニックとしては、DSRC車載器を発売しないわけにはいかないのだ。これはすでに発売している三菱電機も同様。国交省への義理というものもあるだろうね。

実際にDSRC路側機から発信される情報を車で受け取るためには、それに対応したナビゲーションが必要となる。これでは普及に向けてますますハードルが高い。
したがって、このパナソニックの車載機は機器に発声機能を設け、単体でもなんとか音声で情報を提供する仕様になっている。

まあ、29800円じゃほとんど売れないだろうし、正直メーカーとしても売れることはあまり期待していないんだろうけど、気になるのはいまだに
「有料駐車場やドライブスルーなどでのICクレジットカードによる決済等」というメリットが記載されている件。

有料駐車場はITS事業企画さんが一生懸命やってこられ、今は撤退のタイミングを見計らっているんじゃないかな、と思える状況。同社HPの新着情報をみれば、「誠に残念でございますが、XXXXのIBAサービスを終了させていただきます。」というような記事ばっかりだ。
駐車場のTIMESが三菱商事から株式を取得したようだが、状況は好転していない。

ドライブスルーという言葉は10年まえからDSRCの可能性といえば合言葉のように出てくるが、いまだかつて実現したことはない。
DSRCなら「XXXができる」という発想だけしか持ち合わせていない連中が考えているからいけない。「ドライブスルーの決済」が便利になることに対して誰が出費をするだろうか。

DSRCの商業利用は「あり得ないビジネス」だった、と認めるべきではないのか?