ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

テレマティクスとナビ

2004年09月01日 | ITS
次にナビゲーション。

日本はテレマティクス云々というまえからナビゲーションが普及をしているという世界的にも特有の市場である。既にDVD,HDDの車載ローカルのデータが必要十分な情報を持っている。ナビに関して言えば、日本の消費者にとってテレマティクスの意味は「それ以上の情報提供」でしかない。
その情報とは、最新地図データと最新周辺案内ということになる。

最新地図データは確かに欲しい。しかし、なくては運転出来ないということでもない。私自身7年前のCD地図を使っており、例えば東名都築インターは存在していないが、致命的に困ることもない。

ポイントは通信料だろう。家庭のADSLが3千円程度で常時接続を実現している。一般に車内で過ごす時間は平均すれば総生活時間の5%程度と言われており、常識的にはテレマティクス接続の通信料が3千円よりも安くなくては大幅な普及はないと思う。

ここで一つヒントとなるのは無線LANだと思う。コンビニなどに車用のホットスポットを作るという計画もあるようだが、車庫付き一戸建ての場合なら家庭での無線LANが車まで届く。これを使えば消費者の負担する通信料はゼロである。

テレマティクスのニーズ

2004年09月01日 | ITS
テレマティクスの消費者ニーズが見えてこないと言った。事実、テレマティクスを推進してきた関係者のあいだでも、プロダクトアウト発想が強すぎたという反省はあるようだ。

しかし、それではマーケットイン的発想のサービスって、本当に存在するのだろうか?

まず、今まで言われているテレマティクスの消費者向けサービスについて考えて見よう。

1.車の中でメールの送受信
2.ナビゲーション
3.各種エンターテイメント
4.周辺/目的地情報
5.緊急通報
6.盗難車追跡
7.故障診断
8.車車間通信

まず1.のメール受送信。若い世代では携帯メールの受送信が生活の一部となっている。運転中もやめられないだろう。従ってメール機能がテレマティクスをブレイクさせるはずだ、という意見もある。

しかし、これはあり得ない。メール発信者は相手が車に乗ってるかどうかを知らない。従ってテレマティクスのメールアドレスに送信はしない。もちろん、転送サービスが利用できるが、設定/解除の手間がかかる。設定しっぱなしだと車に乗るたびに大量の未読を処理しなければならない。
そんなことを考えたら、携帯メールのままで十分である。

当然、携帯メールは運転中に受送信できないことから、音声読み出しなどの機能を付加して車専用とすることも考えられている。顔文字とか、文末のYOをどう発音するかとか個人的には興味があるが、現実的にあまり使えそうもない。たわいのない友人からの携帯メールなら車を降りてから処理すればいいし、仕事のメールを出先で処理する人は結局モバイルPCを使ってきちんと返信をするだろう。

11月から運転中の携帯使用が厳しく取り締まられるようだが、信号待ちでメールを読む程度のことは容認される筈だ。それで十分だと思うのだが。