ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

UK盤の”ハイタイド&グリーングラス”を返せ!

2006-10-18 01:26:03 | 60~70年代音楽


 ”High Tide and Green Grass ”

 だからストーンズの”ハイ・タイド&グリーングラス”のUKヴァージョンはどうなっちゃったんだよ?カタログから消えたままじゃないか、どうなっているのだ。
 私がローリングストーンズの”60年代もの”限定のファンであること、この場でも何度か述べてきたのだが、ストーンズが60年代のリリースした初期のベストアルバムが、このハイ・タイド・・・”である。

 当時、母国英国ではすでに大スター、そしてアメリカでもその位置に付けんとパワー全開となっていたストーンズは、マネージャーの戦略としてイギリス国内向けとアメリカ市場向け、2種の異なる内容のアルバム”ハイ・タイド&フリーングラス”をリリースしたのである。
 すでに彼らの曲のいくつかを知っている英国ファン向けと、このアルバムで彼らの音楽に初めて接するかも知れないアメリカのファン向け、それぞれの内容の。

 そして今日。ストーンズ位の”格”のバンドの歴史的盤となれば当然、アメリカ盤もイギリス盤も手に入るようになっているかと思いきや。現在、カタログに乗っている”ハイタイド・・・”のCDは、アメリカ盤仕様のものだけなのである。日本盤だけではない。各通販サイトを検索してみた結果、どうやら諸外国においても”ハイ・タイド・・・”の英国仕様の内容のものは商品としては流通していないようなのだ。どういうことだ、これは?

 ここで両者の収録曲と曲順を比べてみたい。

☆アメリカ盤

1. Satisfaction, (I Can't Get No)
2. Last Time, The
3. As Tears Go By
4. Time Is On My Side
5. It's All Over Now
6. Tell Me
7. 19th Nervous Breakdown
8. Heart Of Stone
9. Get Off My Cloud
10. Not Fade Away
11. Good Times, Bad Times
12. Play With Fire

☆イギリス盤

1. Have You Seen Your Mother, Baby, Standing in the Shadow?
2. Paint It Black
3. It's All Over Now
4. Last Time
5. Heart of Stone
6. Not Fade Away
7. Come On
8. (I Can't Get No) Satisfaction
9. Get off of My Cloud
10. As Tears Go By
11. 19th Nervous Breakdown
12. Lady Jane
13. Time Is on My Side
14. Little Red Rooster

 やはりなんというか本場英国版の方が気合の入り方が違うというか、秀逸な内容だ。
 ことに冒頭、”マザー・イン・ザ・シャドウ”から”黒く塗れ”へと、60年代”スゥィンギン・ロンドン”の息吹を生き生きと伝えるまがまがしきざわめきを秘めた2曲がたまらない。
 これだけでも完全にイギリス盤の勝ち!である。しかもクロージングはブライアン・ジョーンズのスライドギターがうなる名演、”リトル・レッド・ルースター”となれば、もう言うことはないではないか。

 ジャケット写真だって、現在流布しているアメリカ盤より、上に掲げたイギリス盤の方が圧倒的にカッコ良いのである。当時、最先端だった魚眼レンズを使ったシャープな手触りがたまらない。

 何だってこれが現在、入手不能なのかね?調べてみると、当時のストーンズのアルバムは”米国アブコ社”なるものが権利を持ち、そちらの意向によりアメリカ盤の内容に準じたCD再発がなされている、とのこと。なんじゃいそれは?何のために、そんな規制が敷かれているのだ。
 どうにもならないことなのか、それは?英国ヴァージョンのCDは、その”アブコ社”なるものに交渉しても発売不能なのか?ええい、これもアメリカ式の全世界愚民化計画の一環なのかと、ますます我がアメリカ嫌いに拍車がかかる秋なのであった。

 欲しいなあ、UKヴァージョンの”ハイ・タイド&グリーングラス”のCDが。





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