ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

ルイジアナ・スーダラ行進曲

2010-05-28 04:52:22 | 北アメリカ

 ”never go away”by boogie kings

 このCDのジャケの下のほうに「ルイジアナの伝説のスーパーグループ」とか記してありますが、それがそのまんま、このCDに収められているとは思わないほうがいいのかも知れません。”スーパーグループ”があれこれメンバーチェンジを重ね歴史を重ねた末に、「もう一度、初心に帰ってやってみっか」とか言って吹き込んだアルバムと考えるべきかと。2007年新譜。中ジャケには、それなりに年老いたメンバーが懸命にマイクに向う姿が捉えられています。
 真っ黒けのソウルを胸に秘めた白人のR&Bコーラスグループ。などというものが、特に問題なく存在し得てしまうのが、このルイジアナという南部の神秘の泥沼ゆえの魔法と言ったら見当違いでしょうか。

 ユルユルでドロドロのバックバンドの音に乗って、まるで黒人の熱っぽいコーラスがいきなり飛び出してきます。もう、いきなりスキモノの心に飛び込んでくる人懐こさをもって。
 いかにも南部、のいなたく暖かいソウル・フィーリングが盤一杯に漲っていて、その水位は最後の一曲が終わるまで、途切れることはありません。選曲がまた、ベタの極致でいいじゃあありませんか。レット・ザ・グッドタイムロールに続いてイフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウなんてのが聴こえてくる盤はそうそうないと思いますな。
 レッツ・ジャスト・キス・アンド・セイ・グッドバイってのは、マンハッタンズの曲でしたっけ?おいおい大丈夫か、あんな大都会ネタをやって。と心配してみるものの、彼らはマイペースのルイジアナ気分で歌い上げてしまいます。あの名曲、メンバーズ・オンリーでジンと泣かせてみて(でも、オリジナルのボビー・ブルーのあれに比べると、相当にユルユルホカホカなんですが)さて、後半はロッキン・ブルース大会に突入であります。

 ほとんどカラオケ大会の選曲であるこの盤で、後半がブルースってのは、ルイジアナの酔っ払いはこのノリと考えていいのでしょうか。そしてラス前にサム・クックのブリング・イット・オン・ホーム・ツゥ・ミーを持って来てR&Bファンをまた泣かせ、最後は意外にも、のオールド・ラギッド・クロスだ。この辺、信仰厚き南部人としては当たり前のパターンなんでしょうか。
 と、ただ実況中継をやってりゃ世話はないんですが。まあでも、こんな能天気な楽しみに満ちている盤にあれこれ言ってみても仕方がない。ドンと行こうぜ、ドンとね。

 下に貼った映像、この盤とどれほど関係があるか分かりませんが、とりあえずブギー・キングスのステージではあります。時代やメンバーは、この盤とちょっと違うかもしれませんが、心意気は同じようなもんですわ、きっと。





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