”Enta Meen”by Dana
これは今、ちょっと気に入ってますね。レバノンのセクシー系アイドル歌手、Danaのアルバムであります。
これまでアラブ圏では聞いたことないんじゃないかと思われるタイプの歌声を聞かせてくれます。
まるでアメリカのキャンディ・ポップ、なんて言葉があるのかないのか、ひたすら陽気で甘ったるく、かつセクシーに迫る、Danaのちょっぴり舌足らずな歌声。
いろいろ厳格なお小言の多いアラブ圏で、こんなにアメリカっぽく開けっぴろげにスィートなお色気路線って、ありなの?いいのかなあ、こんなに明るいセクシー・アイドルがいてしまって?
なおかつ、曲調もサウンドもアラブのポップスの本道を外していない、そのあたりがまた嬉しくさせてくれます。アラブ・ポップスの持っているミステリアスな音要素をDanaは、自身の健康的なお色気を効果的に見せ付けるツールとしてうまいこと使ってしまっているんですな。
レバノン製とはいえ、かの国独特の洗練された出来上がりというよりは、もう少し泥臭く、伝統に忠実なアラブ本道民族派の音作りで進行しますが、上に乗っかるのが甘ったるいDanaのセクシー・ボイスなんだから、これはたまりません。
民族打楽器のディープなアンサンブルがハッシと打ち込まれ、アラブ伝統のメロディが妖しくうねるその中央に、屈託のない笑顔を見せながらアイスクリーム舐めつつ歌っているみたいなコケティッシュな歌声を聞かせるDanaが鎮座ましましている、この新鮮さ。
リフレインの部分がどうしても「洗濯、洗濯、洗濯機♪」と聞こえてしまう”Sympetheec”なんかのあっけらかんとした明るさなんて、アラブ・ポップスのルネッサンスではあるまいか、とかオーバーな事を言いたくなって来ますな。ともかく収められている各曲、どれもユニークで楽しいものばかり。
ともかく聞いていて気持ちが明るくなってよろしいです。荘重なモスクをバックに満面の笑顔を浮かべ、ミニスカートで踊りまくる、なんてプロモーション・ボデオがあっても良さそうな気がする。いやもうあっても不思議でもなんでもない。
そんな次第ですっかり私、Danaのファンです。さあ、あとは中東発のモーニング娘とか、そういうものの登場を待つだけだな、うん。
マルワはもう飽きられて消えたのではないかと思われますが、ダナに乗り換えたファンもいたりして。なぜなら、ダナの方が可愛いから!
>アラブ圏で、こんなにアメリカっぽく
歌詞に「英語」を混ぜ入れるレバノン人歌手は、イロモノしかいないですよ。マルワもジャドもそうだったし。
いいですね、ダナは。こういう軽薄派は支持したいです。アラブ・ポップスの世界の風通しが良くなる気がして、楽しいです。今後の活躍を大いに期待します。