ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

旭硝子のショウコ批判

2006-09-19 03:43:28 | いわゆる日記


 旭硝子という会社のシリーズCM、”硝子と書いてショウコと読ませる女子高生の留学物語”ってのが、いかがなものかなあと思われるのだが、どうでしょう?

 続きもののCMによって、”引っ込み思案だったショウコが、ベルギーだかどこだかに一念発起して留学、やがて国際感覚を身に付けた、積極的な生き方を志向する一人の女性に成長して行く”そんな物語を見せたかったわけですな。先刻のワールドカップの際は、「友達とドイツに行きました」とか流行の話題も抜け目なく絡めつつ。

 最終的には広告代理店の決まり文句、「当社はこんな生き方を提案します」で締めたいと意図して作っているんだろうけれど。そこで提示されている”ショウコ像”が、日本の一般大衆には一番嫌悪される帰国子女のパターンをなぞってしまっていることに気がついているんだろうか、製作者は。

 ”西洋じこみの正義正論”を盾に、日本の精神風土を高所から見下ろし、それらを”未開のもの”として一方的に断罪する。そんな存在。そりゃ、嫌われるよ。
 ちなみに、嫌われているのは”正義”じゃなくて、その独善性なんだけど、自身は「正しいことを言っている自分を認めない社会に問題がある」って見解を崩さない。あなたの論が否定されているんじゃなくて、あなた自身が嫌われているんだってば。

 あのCMシリーズが織り成してゆく物語が帰着した結果として出来上がるのは、そのような人間でしかないんじゃないか?外国に行きさえすれば、皆、立派な人間になりますか?オノレの西洋コンプレックスを、キレイ事にまとめて、安い物語を作っているって反省はあるのかなあ。

 別に帰国子女的なものすべてが不愉快とか言っているんじゃなく、その辺の微妙な人心への配慮が出来ない連中が作ってるCMがあり、それがいかにも「良心派が作りました」みたいな顔して日々、流されてるって事実、困ったもんだと言いたかったわけですが。

 なんかさっきテレビを見ていたら、硝子チャンの留学も終わったようで、”帰国風景ヴァージョン”みたいなCMが放映されてましたが。さて、この留学物語、どのような総括がなされるのでありましょうか。あ、あのままなんとなく終わり、かな?(笑)