南斗屋のブログ

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BC級戦犯の弁護人を務めた弁護士の著作を調べてみる−杉松富士雄弁護士

2021年09月06日 | 歴史を振り返る
(杉松富士雄弁護士) 
 杉松富士雄はBC級戦犯の弁護人を務めた弁護士で、過去記事〈李鶴来「韓国人元BC級戦犯の訴え」にみる日本人弁護士〉に名前が見えます。李鶴来氏は、戦時中朝鮮人軍属で、戦後シンガポールで戦犯裁判を受けたのですが、そのときの弁護人を務めたのが杉松弁護士でした。
 この本では李鶴来氏からみた、弁護人の活動が描かれていました。

(死して祖国に生きん : 四戦犯死刑囚の遺書)
BC級戦犯の弁護人の実態について、まとまった著作というのに未だたどり着かず、実態がよくわかりません。
著作でもあれば、そこから弁護人のことがわかるのではないかと考え、杉松弁護士の著作の有無を調べてみました。最も関連のあらそうなものとして、「死して祖国に生きん : 四戦犯死刑囚の遺書 」という著作があることがわかりました。蒼樹社からの出版で杉松富士雄編とされています。
 この本は 1952年に出版されたようですが、1972年にも同名で光和堂という別の出版社から出されています。
本の題名からして、BC級戦犯事件について書いてあることは間違いないのですが、この本は古本でも売られておらず、また手近な図書館にもないので、国立国会図書館にでも行かないとお目にかかることができないのかもしれません。

(杉松弁護士の論文)
また、杉松富士雄弁護士の名前で論文検索すると下記の論文がヒットします。
「運命の第二二五連隊」
日本評論 26(3), 122-134, 1951-03
日本評論新社
  さらにインターネットを検索してみると、日弁連の機関誌「自由と正義 第2巻第2号 昭26年2月号」に何か寄稿しているようであることもわかりましたが、これもまた近くの図書館にはないようです。

(BC級戦犯関係以外の著作)
 BC級戦犯関係以外の杉松弁護士の著作として、「司法新体制の若干問題」 巌松堂というものがあるようです。昭和16年の出版で、題名からして、戦時の刑事訴訟の改正についての著作ではないかと思われます。

(杉松弁護士に言及した著作)
杉松弁護士に言及した著作として、玉居子精宏「二人の戦犯弁護人 : BC級サイゴン裁判のこと」(一冊の本 2016年3月号)があるようです。これは比較的入手しやすそうなので、このあたりからアプローチしてみようかと思います。







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