[8月24日20:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 某焼肉店]
店員:「ありがとうございましたー!」
愛原:「ご馳走さま」
焼肉屋での宴会コースを楽しんだ私達は、店を後にした。
実質的な、これが我が事務所の暑気払いみたいなものか。
高橋:「先生、ゴチっした!」
リサ:「ゴチっした!」
愛原:「ああ」
リサ:「……でも、ちょっとお肉の量、物足りなかったかな……」
リサがボソッと呟いた。
高橋:「くぉらっ!ゴチしてくれた先生に、何て事を!」
愛原:「まあまあ。焼肉屋の『食べ放題』と『宴会コース』って、かなり違うことが分かっただろ?」
宴会コースは、どちらかというと、焼き肉を肴に飲みまくる方が重視である。
その為、大抵、宴会コースには飲み放題が付き物だ。
それに対し、食べ放題の方は、食べることに重きを置いている為、飲み放題はオプションであることが多い。
まあ、私と高橋は飲み放題がしたかったのだが、リサは食べ放題の方が良かったというわけだ。
高橋:「宴会コース最強っス!」
宴会コースは運ばれてくる肉の量が決まっているので、大食のリサには足りなかったようである。
愛原:「でも、今日のは前座だとさっき言っただろ?」
高橋:「あれで前座って、真打ちは何なんスか?」
愛原:「今週の土曜日になれば分かる」
高橋:「ええっ?」
[8月27日06:56.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→新宿線617T電車先頭車内]
〔まもなく1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
私達は土曜日の朝、菊川駅のホームにいた。
高橋:「一体、どこへ行くんスか?一応、今日は泊まりってことっスけど……」
愛原:「来れば分かる」
リサ:「朝ごはんは?」
愛原:「新宿駅から特急に乗る。つまり、新宿駅で駅弁を買うから、それを食ってくれ」
リサ:「おー!駅弁!」
高橋:「8時ちょうどの“あずさ2号”にでも乗るんスか?」
愛原:「オマエ、本当に20代か?随分と古い歌、知ってるなぁ……」
高橋:「それほど有名な歌ってことっスよ」
電車が風を切って入線してくる。
都営の車両であった。
まあ、列車番号の末尾がTであれば都営車なのだが。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
平日の同じ時間帯なら、もう朝のラッシュが始まる頃合いであるが、土曜日の今日は空いている。
まあ、それでも席は埋まっていて、吊り革が殆ど空いているといった感じだが。
同じ時間の平日だと、吊り革も殆ど埋まっている状態と比べれば空いている。
私達は先頭車に乗り込んだ。
〔1番線、ドアが閉まります〕
短い発車サイン音が鳴り終わると、電車のドアとホームドアが閉まった。
ドアチャイムは、JR東日本の通勤電車のそれと同じである。
乗り入れて来る京王電車のドアチャイムが、JR東海の在来線車と同じであるのとは違う。
運転室から発車合図のブザーが聞こえて来ると、ガチャッとハンドルを操作する音が聞こえて来るのは、先頭車両ならでは。
電車は地下トンネルの中に入った。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
愛原:「乗るのは“あずさ”じゃないよ」
高橋:「“かいじ101”号っスか、スーパーベルズの」
愛原:「“かいじ101号”って、あれだろ?『8時ぐらいの“あずさ”じゃなくて、“かいじ”で行きます』って歌ってるヤツだろ?」
高橋:「そうですそうです。『8時過ぎたら“あずさ”じゃなくて、“かいじ”で行きます』とも歌ってます」
愛原:「やめろよ、そんなマニアックな話。多分、画面の前の読者には、俺達が何を喋ってるのかサッパリ分からんだろうが」
高橋:「さ、サーセン」
愛原:「中央本線から離れろよ」
高橋:「まさか、“成田エクスプレス”っスか?それで成田空港まで?」
愛原:「アホ。だったら、逆方向の電車に乗って、本八幡から京成に乗り換えた方が楽だろうが」
高橋:「あっ……」
リサ:「小田急ロマンスカーでしょ!?箱根!湘南!」
高橋:「いや、仕事がらみだから、スペーシアとかっスかね?それで日光に行って、白井の痕跡を探すとか?」
愛原:「まあ、新宿に着けば分かる」
[同日07:16.天候:晴 東京都新宿区西新宿 京王電鉄新線新宿駅→JR新宿駅]
〔「まもなく新宿、新宿です。お出口は、右側です。この電車は京王新線直通、各駅停車、笹塚行きです。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
私達を乗せた電車は、定刻通りに新宿駅に入線した。
都営地下鉄としては、ここが終点である。
電車はこの先、京王新線に乗り入れることになる。
ただ、この先も地下トンネルは続くので、実質的に1つの路線のようなものである。
京王新線ホームにもホームドアが設置されており、私達が到着した4番線ホームは京王電鉄のカラーが塗られている。
しかし反対側の5番線には、都営地下鉄のカラーが塗られている。
誤乗防止の為にそうされているというが、更にはこの駅が正に境界線という意味合いも持たされている。
新宿駅で下車する乗客は多い。
私達もその流れに乗って、電車を降りた。
その後は、ホーム中央部分くらいの場所にあるエスカレーターで地上を目指す。
尚、京王新線ホームは地下5階の深さにある。
因みに同じ都営地下鉄の大江戸線ホームに至っては、地下7階である。
核シェルターにも使えるという噂、本当っぽく聞こえる話だろう?
こうして私達はまずは地下1階まで上がり、そこから改札口を出て、JR新宿駅を目指した。
京王新線新宿駅がJR新宿駅の南側にある為、そこからJRに乗り継ごうとすると、南口の改札を目指すことになる。
そう、大雪や台風のテレビ中継でよく映し出される、あの改札口だ。
リサ:「駅弁は?」
愛原:「特急が発着するホーム……というか、乗り場付近に行けば売ってるよ」
リサ:「おー!」
こうして私達は、本当のスタート地点であるJR新宿駅に移動した。
店員:「ありがとうございましたー!」
愛原:「ご馳走さま」
焼肉屋での宴会コースを楽しんだ私達は、店を後にした。
実質的な、これが我が事務所の暑気払いみたいなものか。
高橋:「先生、ゴチっした!」
リサ:「ゴチっした!」
愛原:「ああ」
リサ:「……でも、ちょっとお肉の量、物足りなかったかな……」
リサがボソッと呟いた。
高橋:「くぉらっ!ゴチしてくれた先生に、何て事を!」
愛原:「まあまあ。焼肉屋の『食べ放題』と『宴会コース』って、かなり違うことが分かっただろ?」
宴会コースは、どちらかというと、焼き肉を肴に飲みまくる方が重視である。
その為、大抵、宴会コースには飲み放題が付き物だ。
それに対し、食べ放題の方は、食べることに重きを置いている為、飲み放題はオプションであることが多い。
まあ、私と高橋は飲み放題がしたかったのだが、リサは食べ放題の方が良かったというわけだ。
高橋:「宴会コース最強っス!」
宴会コースは運ばれてくる肉の量が決まっているので、大食のリサには足りなかったようである。
愛原:「でも、今日のは前座だとさっき言っただろ?」
高橋:「あれで前座って、真打ちは何なんスか?」
愛原:「今週の土曜日になれば分かる」
高橋:「ええっ?」
[8月27日06:56.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→新宿線617T電車先頭車内]
〔まもなく1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
私達は土曜日の朝、菊川駅のホームにいた。
高橋:「一体、どこへ行くんスか?一応、今日は泊まりってことっスけど……」
愛原:「来れば分かる」
リサ:「朝ごはんは?」
愛原:「新宿駅から特急に乗る。つまり、新宿駅で駅弁を買うから、それを食ってくれ」
リサ:「おー!駅弁!」
高橋:「8時ちょうどの“あずさ2号”にでも乗るんスか?」
愛原:「オマエ、本当に20代か?随分と古い歌、知ってるなぁ……」
高橋:「それほど有名な歌ってことっスよ」
電車が風を切って入線してくる。
都営の車両であった。
まあ、列車番号の末尾がTであれば都営車なのだが。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
平日の同じ時間帯なら、もう朝のラッシュが始まる頃合いであるが、土曜日の今日は空いている。
まあ、それでも席は埋まっていて、吊り革が殆ど空いているといった感じだが。
同じ時間の平日だと、吊り革も殆ど埋まっている状態と比べれば空いている。
私達は先頭車に乗り込んだ。
〔1番線、ドアが閉まります〕
短い発車サイン音が鳴り終わると、電車のドアとホームドアが閉まった。
ドアチャイムは、JR東日本の通勤電車のそれと同じである。
乗り入れて来る京王電車のドアチャイムが、JR東海の在来線車と同じであるのとは違う。
運転室から発車合図のブザーが聞こえて来ると、ガチャッとハンドルを操作する音が聞こえて来るのは、先頭車両ならでは。
電車は地下トンネルの中に入った。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
愛原:「乗るのは“あずさ”じゃないよ」
高橋:「“かいじ101”号っスか、スーパーベルズの」
愛原:「“かいじ101号”って、あれだろ?『8時ぐらいの“あずさ”じゃなくて、“かいじ”で行きます』って歌ってるヤツだろ?」
高橋:「そうですそうです。『8時過ぎたら“あずさ”じゃなくて、“かいじ”で行きます』とも歌ってます」
愛原:「やめろよ、そんなマニアックな話。多分、画面の前の読者には、俺達が何を喋ってるのかサッパリ分からんだろうが」
高橋:「さ、サーセン」
愛原:「中央本線から離れろよ」
高橋:「まさか、“成田エクスプレス”っスか?それで成田空港まで?」
愛原:「アホ。だったら、逆方向の電車に乗って、本八幡から京成に乗り換えた方が楽だろうが」
高橋:「あっ……」
リサ:「小田急ロマンスカーでしょ!?箱根!湘南!」
高橋:「いや、仕事がらみだから、スペーシアとかっスかね?それで日光に行って、白井の痕跡を探すとか?」
愛原:「まあ、新宿に着けば分かる」
[同日07:16.天候:晴 東京都新宿区西新宿 京王電鉄新線新宿駅→JR新宿駅]
〔「まもなく新宿、新宿です。お出口は、右側です。この電車は京王新線直通、各駅停車、笹塚行きです。本日も都営地下鉄新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕
私達を乗せた電車は、定刻通りに新宿駅に入線した。
都営地下鉄としては、ここが終点である。
電車はこの先、京王新線に乗り入れることになる。
ただ、この先も地下トンネルは続くので、実質的に1つの路線のようなものである。
京王新線ホームにもホームドアが設置されており、私達が到着した4番線ホームは京王電鉄のカラーが塗られている。
しかし反対側の5番線には、都営地下鉄のカラーが塗られている。
誤乗防止の為にそうされているというが、更にはこの駅が正に境界線という意味合いも持たされている。
新宿駅で下車する乗客は多い。
私達もその流れに乗って、電車を降りた。
その後は、ホーム中央部分くらいの場所にあるエスカレーターで地上を目指す。
尚、京王新線ホームは地下5階の深さにある。
因みに同じ都営地下鉄の大江戸線ホームに至っては、地下7階である。
核シェルターにも使えるという噂、本当っぽく聞こえる話だろう?
こうして私達はまずは地下1階まで上がり、そこから改札口を出て、JR新宿駅を目指した。
京王新線新宿駅がJR新宿駅の南側にある為、そこからJRに乗り継ごうとすると、南口の改札を目指すことになる。
そう、大雪や台風のテレビ中継でよく映し出される、あの改札口だ。
リサ:「駅弁は?」
愛原:「特急が発着するホーム……というか、乗り場付近に行けば売ってるよ」
リサ:「おー!」
こうして私達は、本当のスタート地点であるJR新宿駅に移動した。