[9月19日08時13分 天候:晴 栃木県日光市今市 東武鉄道日光線1101列車・1号車内→下今市駅]
〔♪♪♪♪。ご乗車ありがとうございました。まもなく、下今市に到着致します。お出口は、左側です。次の下今市で、車両を切り離します。1号車から3号車は、会津田島行き、4号車から6号車は、東武日光行きです〕
浅草を出発して1時間40分以上も走った頃、列車は分岐点である下今市駅に接近した。
時刻表によると、切り離し作業をする関係で、下今市駅には4分ほど停車するらしい。
売店は上りホームにしか無い為、そこまで行くのは大変だが、自販機なら下りホームにもある。
そこで何か飲み物でも買い足そうと思った。
〔「ご乗車ありがとうございました。下今市、下今市です。……」〕
この駅で下車する乗客達は多いようだ。
何もこの駅に用があるのではなく、東武日光方面に行く観光客達だろう。
平日であるにも関わらず、観光客は日本人よりは外国人の方が多い。
車内放送に英語放送だけでなく、中国語や朝鮮語もあるわけである。
4号車から6号車が満席だったから、仕方なくこちらに乗っていた乗客達が乗り換えるようだ。
尚、ここまで来れば、例え東武日光行きの特急に乗れなくても、普通列車も運転されているので、それに乗り換えることはできる。
現に1番線には、東武日光行きの普通列車が停車していた。
ボックスシートの6050系の姿は無く、元は東京メトロ日比谷線直通用として製造された20000系電車が4両編成に短編成化され、更にはワンマン化改造をされて運用に就いている。
当然、車内はロングシートのトイレ無し。
座席は今風のバケットシートに交換されたようだが、内装はこのまままた地下鉄に乗り入れしてもおかしくないような、観光色の無い通勤電車である。
私はホームの自販機で缶コーヒーや水のペットボトルを買い求めると、再び車内に戻った。
愛原「日光方面は賑わってますねぇ……」
善場「それはもう世界的な観光地ですから」
時間が早過ぎるのか、それとも衰退化しているのか、鬼怒川方面に向かうこの電車は一気に空いた。
あちらこちらから聞こえていた外国語が、殆ど聞こえなくなっている。
その代わり、切り離し作業をしている後ろ3両は賑やかで、そちらに乗れなかった観光客達は1番線の元地下鉄用電車に乗り換えて、座席を埋めている。
〔「ご案内致します。この電車は8時17分発、特急“リバティ会津”101号、会津田島行きです。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
缶コーヒーを飲んでいると、発車の時間がやってきた。
前側に停車しているこの電車が、先に発車するわけである。
特に発車メロディがあるわけでもなく、恐らく駅の肉声放送と、車掌の手笛が発車の合図なのだろう。
ドアが閉まって、それから電車が発車する。
しかし、ほとんど徐行の状態で加速は止まる。
それもそのはず。
下今市駅から下り方向を見ると、東武日光線は相変わらず複線で真っ直ぐ線路が伸びているのに対し、東武鬼怒川線は右に急カーブを描き、ここから単線となる。
どちらも特急がバンバン走っている路線とは思えぬ差である。
まるで引き込み線のような渡り線の上を移動している間、電車は時速20~30km程度で進む。
〔♪♪♪♪。「本日は特急“リバティ会津”101号をご利用頂き、誠にありがとうございます。途中の停車駅は新高徳、東武ワールドスクウェア、鬼怒川温泉、鬼怒川公園、新藤原、龍王峡、川治温泉、川治湯元、湯西川温泉、中三依温泉、上三依塩原温泉口、会津高原尾瀬口、終点会津田島の順に止まります。次は新高徳、新高徳です」〕
何故か自動放送から、車掌による肉声放送に変わる。
もう外国語放送が必要無いくらい客が少ないということなのだろうか。
下今市まで90%くらいの乗車率があったのが、半分以下にまで減っている。
駅名にやたら温泉が付くのは先日に乗車したJR陸羽東線以上だが、それだけこれから山の中を走る事の表れでもあるということだ。
霧生市も、そんな山奥にある町なのである。
本来なら過疎化の山村といった村だったのだが、日本アンブレラが企業城下町を形成した事で、一気に都市化が進んでいる。
愛原「善場係長、私達の下車駅は会津高原尾瀬口ですね?」
善場「そうです。駅前に迎えの車が来ておりますので、それで向かう形となります」
愛原「まさか、軍用のトラックとかジープとかですか?」
善場「それは着いてからのお楽しみです」
善場係長は微笑を浮かべた。
いつもはポーカーフェイスの係長が笑みを浮かべる、貴重なシーンだ。
[同日09時23分 天候:晴 福島県南会津郡南会津町 会津鉄道会津高原尾瀬口駅]
〔♪♪♪♪。ご乗車ありがとうございました。まもなく、会津高原尾瀬口に到着致します。お出口は、左側です。会津高原尾瀬口を出ますと、次は終点、会津田島に止まります〕
浅草駅から3時間近く電車に揺られ、ようやく下車駅が近づいた。
新藤原駅から野岩鉄道会津鬼怒川線という別の鉄道会社線に入ったのだが、トンネルが断続的に続く路線であり、また、駅のホームがトンネルの中にあったり、完全ではなくても、ホームの一部がトンネルの中なんて駅もあった。
それらのトンネルが続く区間を過ぎて、ようやくといったところである。
かつて来た時には真冬であった為、辺り一面銀世界であったが、今はどちらかというと紅葉が始まりかけているといった感じか。
愛原「ふーっ!」
実際に到着してホームに降りてみると、明らかに東京よりも涼しい。
空気が違うのがすぐに分かった。
善場「お疲れ様です。迎えの車はこちらに向かっておりまして、あと10分ほどで到着する見込みということですので、小休止としましょう。お手洗いなどは、どうぞ行って来てください」
構内踏切を通って、駅舎の中に入る。
改札口には駅員がいて、そこでキップが回収された。
愛原「分かりました」
お言葉に甘えて、私は改札外にあるトイレに向かった。
あとは自販機もあるので、ここでまたペットボトルの水でも買うことにした。
〔♪♪♪♪。ご乗車ありがとうございました。まもなく、下今市に到着致します。お出口は、左側です。次の下今市で、車両を切り離します。1号車から3号車は、会津田島行き、4号車から6号車は、東武日光行きです〕
浅草を出発して1時間40分以上も走った頃、列車は分岐点である下今市駅に接近した。
時刻表によると、切り離し作業をする関係で、下今市駅には4分ほど停車するらしい。
売店は上りホームにしか無い為、そこまで行くのは大変だが、自販機なら下りホームにもある。
そこで何か飲み物でも買い足そうと思った。
〔「ご乗車ありがとうございました。下今市、下今市です。……」〕
この駅で下車する乗客達は多いようだ。
何もこの駅に用があるのではなく、東武日光方面に行く観光客達だろう。
平日であるにも関わらず、観光客は日本人よりは外国人の方が多い。
車内放送に英語放送だけでなく、中国語や朝鮮語もあるわけである。
4号車から6号車が満席だったから、仕方なくこちらに乗っていた乗客達が乗り換えるようだ。
尚、ここまで来れば、例え東武日光行きの特急に乗れなくても、普通列車も運転されているので、それに乗り換えることはできる。
現に1番線には、東武日光行きの普通列車が停車していた。
ボックスシートの6050系の姿は無く、元は東京メトロ日比谷線直通用として製造された20000系電車が4両編成に短編成化され、更にはワンマン化改造をされて運用に就いている。
当然、車内はロングシートのトイレ無し。
座席は今風のバケットシートに交換されたようだが、内装はこのまままた地下鉄に乗り入れしてもおかしくないような、観光色の無い通勤電車である。
私はホームの自販機で缶コーヒーや水のペットボトルを買い求めると、再び車内に戻った。
愛原「日光方面は賑わってますねぇ……」
善場「それはもう世界的な観光地ですから」
時間が早過ぎるのか、それとも衰退化しているのか、鬼怒川方面に向かうこの電車は一気に空いた。
あちらこちらから聞こえていた外国語が、殆ど聞こえなくなっている。
その代わり、切り離し作業をしている後ろ3両は賑やかで、そちらに乗れなかった観光客達は1番線の元地下鉄用電車に乗り換えて、座席を埋めている。
〔「ご案内致します。この電車は8時17分発、特急“リバティ会津”101号、会津田島行きです。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
缶コーヒーを飲んでいると、発車の時間がやってきた。
前側に停車しているこの電車が、先に発車するわけである。
特に発車メロディがあるわけでもなく、恐らく駅の肉声放送と、車掌の手笛が発車の合図なのだろう。
ドアが閉まって、それから電車が発車する。
しかし、ほとんど徐行の状態で加速は止まる。
それもそのはず。
下今市駅から下り方向を見ると、東武日光線は相変わらず複線で真っ直ぐ線路が伸びているのに対し、東武鬼怒川線は右に急カーブを描き、ここから単線となる。
どちらも特急がバンバン走っている路線とは思えぬ差である。
まるで引き込み線のような渡り線の上を移動している間、電車は時速20~30km程度で進む。
〔♪♪♪♪。「本日は特急“リバティ会津”101号をご利用頂き、誠にありがとうございます。途中の停車駅は新高徳、東武ワールドスクウェア、鬼怒川温泉、鬼怒川公園、新藤原、龍王峡、川治温泉、川治湯元、湯西川温泉、中三依温泉、上三依塩原温泉口、会津高原尾瀬口、終点会津田島の順に止まります。次は新高徳、新高徳です」〕
何故か自動放送から、車掌による肉声放送に変わる。
もう外国語放送が必要無いくらい客が少ないということなのだろうか。
下今市まで90%くらいの乗車率があったのが、半分以下にまで減っている。
駅名にやたら温泉が付くのは先日に乗車したJR陸羽東線以上だが、それだけこれから山の中を走る事の表れでもあるということだ。
霧生市も、そんな山奥にある町なのである。
本来なら過疎化の山村といった村だったのだが、日本アンブレラが企業城下町を形成した事で、一気に都市化が進んでいる。
愛原「善場係長、私達の下車駅は会津高原尾瀬口ですね?」
善場「そうです。駅前に迎えの車が来ておりますので、それで向かう形となります」
愛原「まさか、軍用のトラックとかジープとかですか?」
善場「それは着いてからのお楽しみです」
善場係長は微笑を浮かべた。
いつもはポーカーフェイスの係長が笑みを浮かべる、貴重なシーンだ。
[同日09時23分 天候:晴 福島県南会津郡南会津町 会津鉄道会津高原尾瀬口駅]
〔♪♪♪♪。ご乗車ありがとうございました。まもなく、会津高原尾瀬口に到着致します。お出口は、左側です。会津高原尾瀬口を出ますと、次は終点、会津田島に止まります〕
浅草駅から3時間近く電車に揺られ、ようやく下車駅が近づいた。
新藤原駅から野岩鉄道会津鬼怒川線という別の鉄道会社線に入ったのだが、トンネルが断続的に続く路線であり、また、駅のホームがトンネルの中にあったり、完全ではなくても、ホームの一部がトンネルの中なんて駅もあった。
それらのトンネルが続く区間を過ぎて、ようやくといったところである。
かつて来た時には真冬であった為、辺り一面銀世界であったが、今はどちらかというと紅葉が始まりかけているといった感じか。
愛原「ふーっ!」
実際に到着してホームに降りてみると、明らかに東京よりも涼しい。
空気が違うのがすぐに分かった。
善場「お疲れ様です。迎えの車はこちらに向かっておりまして、あと10分ほどで到着する見込みということですので、小休止としましょう。お手洗いなどは、どうぞ行って来てください」
構内踏切を通って、駅舎の中に入る。
改札口には駅員がいて、そこでキップが回収された。
愛原「分かりました」
お言葉に甘えて、私は改札外にあるトイレに向かった。
あとは自販機もあるので、ここでまたペットボトルの水でも買うことにした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます