[8月17日08:30.天候:曇 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
久しぶりに学校に登校したリサ。
クラスメイトは、日焼けしている者も散見された。
淀橋:「魔王様、おはよーございます!」
リサ:「リサでいいって。ヨドバシ、日に焼けたね!?」
小島:「リサは焼けてないね?」
リサ:「回復力が強いから、日に焼けてもすぐ元に戻っちゃう」
淀橋:「魔王様の自動回復力、パねぇ!」
小島:「よっ、回復薬要らず!」
リサ:「それ、褒められてんの?」
淀橋:「魔王様!」
小島:「ラスボス!」
坂上修一:「あいつら、またやってるなぁ……」
担任の坂上は、呆れたようにリサ達を見た。
[同日10:00.天候:曇 同高校・教育資料館(旧校舎)]
新校舎の裏手にある、ポツンと佇んだ旧校舎。
木造2階建てで、これが東京中央学園の元祖である。
今から50年ほど前、まだ新校舎が無かった頃、白井伝三郎はこの校舎に通っていた。
そして、“トイレの花子さん”事件が発生する。
後に“トイレの花子さん”として化けて出ることになる女子生徒は、居残り補習させられた上、それを先生に忘れられた腹いせに、周囲の生徒から執拗なイジメを受けていたという。
白井が現役生時代、ここでどんな学園生活を送っていたのかは知られていない。
知られていないということは、特段目立ったことはしていないということになる。
昼間とはいえ、空はどんよりと曇っている。
今にも、雨が降りそうだ。
“花子さん”がいた頃は怪現象多発地帯だった旧校舎も、今は静かなものとなっている。
セキュリティが強化されたことで、侵入する生徒もいなくなったからかもしれない。
リサは教育資料館と称する旧校舎の周りを歩いてみた。
栗原蓮華:「やっぱりここにいたんだ」
リサ:「! 鬼斬りセンパイ……」
蓮華:「ここにいたって、入ることはできないよ?」
リサ:「分かってるよ」
蓮華:「それより、新聞部のコに、90年代のデータを見せてもらう許可を取ったよ」
リサ:「本当!?」
蓮華:「良かったら、部室に行く?」
リサ:「行く!」
2人は新聞部の部室に向かった。
[同日10:30.天候:曇 同学園新校舎1F 新聞部部室]
昔の学校新聞は、データ化されてPCに保存されていた。
90年代はオカルトブームだったこともあり、それに呼応するような形で、新旧問わず、この学園では怪奇現象が多発していたようである。
おかしいのは、夏場に多発し、冬場は殆どナリを潜めていること。
冬場に起きた怪奇現象は、95年の2月に起きた一般入試日での出来事である。
在校生ではなく、受験生が怪奇現象に巻き込まれた稀有な事例であった。
しかしこれは新校舎で起きた事件であり、しかも白井の影も形も無い。
そして白井が出て来る話では、どうしても新校舎の科学準備室にある倉庫が舞台になってしまうのだ。
しかし、そこは愛原達が散々っぱら調べ尽くしている。
リサは、“トイレの花子さん”について調べた。
白井伝三郎と同級生だった“花子さん”は、天長会信者だった白井の初恋の人であり、天長会への入信を促されていたという。
それならどうしてイジメから助けてあげなかったのかというと、『俺の勧誘を断った罰!』として放置していたとされる。
結果的に彼女は自殺することになり、“トイレの花子さん”として化けて出て来ることになるのだが。
他に旧校舎が舞台の話はいくつもあるが、どれも白井とは関係の無い話ばかりであった。
リサ:「戦時中の話が多いね?」
新聞部員:「東京大空襲で、多数の死傷者が出た場所ですから、それに因んだ話も多数あるようです」
しかし、白井は戦後生まれなので、関係無さそうに思える。
リサ:「やっぱり、当てが外れてるかなぁ……」
蓮華:「実際、旧校舎の中を見てみないとダメかもね」
リサ:「見たところで、当てが無いと、何も見つからない」
蓮華:「旧校舎にだって、科学室とかはあっただろうから、そういう所に秘密は無いかな?白井が勝手に改造とか……」
リサ:「うーん……」
日本アンブレラに入社後の白井ならともかく、ただの高校生だった頃の白井にそんなことができるとは思えない。
リサ:「いくつかデータをコピーさせてもらってもいいですか?」
新聞部員:「どうぞどうぞ。その代わり、来年も『七不思議』の集まりに参加してくださいよ?」
リサ:「うん、分かった」
蓮華:「また来年もやるの……。懲りないね」
新聞部員:「栗原さんも、宜しかったら是非」
蓮華:「いや、卒業だって」
新聞部員:「部長が、『OBやOGの参加も認めようか』なんて言ってるんで」
蓮華:「要はネタが無くなったってことでしょ?だったら、無理しないで打ち切りにすればいいのに……」
新聞部員:「いやいや……」
リサ:「ん?」
その時、リサはふと気が付いた。
リサ:「この学校の先生って、この学校の卒業生とかいるでしょ?」
蓮華:「いるね。てか、あんたの所の担任と副担任もそうでしょ?」
リサ:「うん、そう!」
蓮華:「まさか、先生の参加もOKにするの?」
新聞部員:「ワンチャン、それもアリかなーって……」
蓮華:「節操無いねー」
リサ:「坂上先生、確か96年の回の時に旧校舎に行ったって聞いた。その時の話を聞いてみよう」
蓮華:「その中に白井が出て来るの?」
リサ:「分かんない」
リサは96年の回のデータを見てみた。
すると、6話目の時に“トイレの花子さん”について話した生徒がおり、臨場感を持たせる為に会場を新聞部室から旧校舎へと移動している。
そして、7話目を黒木源三という体育教師が話をしたことになっている。
その黒木という教師によると、戦時中に旧校舎で起こった悲劇が怪奇現象となって、自分に襲い掛かって来た話をしてくれたそうだ。
リサ:「この黒木先生の話を詳しく聞かせてもらおう」
黒木という教師は、もうこの学校にはいない。
なので、現役生だった時にこの黒木から話を聞いた担任の坂上に話を聞こうと思った。
リサと蓮華は、新聞部室をあとにすると、職員室に向かった。
久しぶりに学校に登校したリサ。
クラスメイトは、日焼けしている者も散見された。
淀橋:「魔王様、おはよーございます!」
リサ:「リサでいいって。ヨドバシ、日に焼けたね!?」
小島:「リサは焼けてないね?」
リサ:「回復力が強いから、日に焼けてもすぐ元に戻っちゃう」
淀橋:「魔王様の自動回復力、パねぇ!」
小島:「よっ、回復薬要らず!」
リサ:「それ、褒められてんの?」
淀橋:「魔王様!」
小島:「ラスボス!」
坂上修一:「あいつら、またやってるなぁ……」
担任の坂上は、呆れたようにリサ達を見た。
[同日10:00.天候:曇 同高校・教育資料館(旧校舎)]
新校舎の裏手にある、ポツンと佇んだ旧校舎。
木造2階建てで、これが東京中央学園の元祖である。
今から50年ほど前、まだ新校舎が無かった頃、白井伝三郎はこの校舎に通っていた。
そして、“トイレの花子さん”事件が発生する。
後に“トイレの花子さん”として化けて出ることになる女子生徒は、居残り補習させられた上、それを先生に忘れられた腹いせに、周囲の生徒から執拗なイジメを受けていたという。
白井が現役生時代、ここでどんな学園生活を送っていたのかは知られていない。
知られていないということは、特段目立ったことはしていないということになる。
昼間とはいえ、空はどんよりと曇っている。
今にも、雨が降りそうだ。
“花子さん”がいた頃は怪現象多発地帯だった旧校舎も、今は静かなものとなっている。
セキュリティが強化されたことで、侵入する生徒もいなくなったからかもしれない。
リサは教育資料館と称する旧校舎の周りを歩いてみた。
栗原蓮華:「やっぱりここにいたんだ」
リサ:「! 鬼斬りセンパイ……」
蓮華:「ここにいたって、入ることはできないよ?」
リサ:「分かってるよ」
蓮華:「それより、新聞部のコに、90年代のデータを見せてもらう許可を取ったよ」
リサ:「本当!?」
蓮華:「良かったら、部室に行く?」
リサ:「行く!」
2人は新聞部の部室に向かった。
[同日10:30.天候:曇 同学園新校舎1F 新聞部部室]
昔の学校新聞は、データ化されてPCに保存されていた。
90年代はオカルトブームだったこともあり、それに呼応するような形で、新旧問わず、この学園では怪奇現象が多発していたようである。
おかしいのは、夏場に多発し、冬場は殆どナリを潜めていること。
冬場に起きた怪奇現象は、95年の2月に起きた一般入試日での出来事である。
在校生ではなく、受験生が怪奇現象に巻き込まれた稀有な事例であった。
しかしこれは新校舎で起きた事件であり、しかも白井の影も形も無い。
そして白井が出て来る話では、どうしても新校舎の科学準備室にある倉庫が舞台になってしまうのだ。
しかし、そこは愛原達が散々っぱら調べ尽くしている。
リサは、“トイレの花子さん”について調べた。
白井伝三郎と同級生だった“花子さん”は、天長会信者だった白井の初恋の人であり、天長会への入信を促されていたという。
それならどうしてイジメから助けてあげなかったのかというと、『俺の勧誘を断った罰!』として放置していたとされる。
結果的に彼女は自殺することになり、“トイレの花子さん”として化けて出て来ることになるのだが。
他に旧校舎が舞台の話はいくつもあるが、どれも白井とは関係の無い話ばかりであった。
リサ:「戦時中の話が多いね?」
新聞部員:「東京大空襲で、多数の死傷者が出た場所ですから、それに因んだ話も多数あるようです」
しかし、白井は戦後生まれなので、関係無さそうに思える。
リサ:「やっぱり、当てが外れてるかなぁ……」
蓮華:「実際、旧校舎の中を見てみないとダメかもね」
リサ:「見たところで、当てが無いと、何も見つからない」
蓮華:「旧校舎にだって、科学室とかはあっただろうから、そういう所に秘密は無いかな?白井が勝手に改造とか……」
リサ:「うーん……」
日本アンブレラに入社後の白井ならともかく、ただの高校生だった頃の白井にそんなことができるとは思えない。
リサ:「いくつかデータをコピーさせてもらってもいいですか?」
新聞部員:「どうぞどうぞ。その代わり、来年も『七不思議』の集まりに参加してくださいよ?」
リサ:「うん、分かった」
蓮華:「また来年もやるの……。懲りないね」
新聞部員:「栗原さんも、宜しかったら是非」
蓮華:「いや、卒業だって」
新聞部員:「部長が、『OBやOGの参加も認めようか』なんて言ってるんで」
蓮華:「要はネタが無くなったってことでしょ?だったら、無理しないで打ち切りにすればいいのに……」
新聞部員:「いやいや……」
リサ:「ん?」
その時、リサはふと気が付いた。
リサ:「この学校の先生って、この学校の卒業生とかいるでしょ?」
蓮華:「いるね。てか、あんたの所の担任と副担任もそうでしょ?」
リサ:「うん、そう!」
蓮華:「まさか、先生の参加もOKにするの?」
新聞部員:「ワンチャン、それもアリかなーって……」
蓮華:「節操無いねー」
リサ:「坂上先生、確か96年の回の時に旧校舎に行ったって聞いた。その時の話を聞いてみよう」
蓮華:「その中に白井が出て来るの?」
リサ:「分かんない」
リサは96年の回のデータを見てみた。
すると、6話目の時に“トイレの花子さん”について話した生徒がおり、臨場感を持たせる為に会場を新聞部室から旧校舎へと移動している。
そして、7話目を黒木源三という体育教師が話をしたことになっている。
その黒木という教師によると、戦時中に旧校舎で起こった悲劇が怪奇現象となって、自分に襲い掛かって来た話をしてくれたそうだ。
リサ:「この黒木先生の話を詳しく聞かせてもらおう」
黒木という教師は、もうこの学校にはいない。
なので、現役生だった時にこの黒木から話を聞いた担任の坂上に話を聞こうと思った。
リサと蓮華は、新聞部室をあとにすると、職員室に向かった。