報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「臨空泊の探偵達」

2022-11-04 20:10:14 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月15日18:00.天候:晴 宮城県名取市美田園 スーパーホテル美田園・仙台空港→味のまるまつ美田園店]

 ホテルにチェックインして、一息ついた後は夕食を食べに行くことにした。
 1つ隣の杜せきのした駅前にはイオンがあるのだが、美田園駅前はそこと比べると少し寂しい。
 スーパービバホームとかはあるが、そこには飲食店は無いし、他に賑やかしいのはパチンコ店とアミューズメント施設なくらいだ。
 同行者が高橋だけなら、ちょいと一発のつもりで打ちに行くのも一興だが、年齢的に入店不可のリサが一緒ではそれは無理である。
 取りあえず、駅の反対側に飲食店があるということなので、そこに行ってみた。

 店員:「いらっしゃいませ」
 愛原:「3名です」
 店員:「こちらへどうぞ!」

 と、テーブル席に案内される。

 リサ:「ドリンクバー」
 愛原:「いきなりそれか!あと、食べ物なら、遠慮なく頼んでいいぞ。史上初の高額報酬が期待できるからな」
 高橋:「そりゃ良かったっスね!」
 リサ:「ボーナス、ボーナス」
 愛原:「えーと、俺は、まるまつ御膳だな」
 リサ:「ボーナス!ボーナス!」
 愛原:「後で最高額のクオカードやるから」
 リサ:「えー……」
 愛原:「最高額の図書カードも付けよう」
 リサ:「うう……。あ、そういえばまだマンガ買ってなかった」
 愛原:「いっそのこと、Amazonで買ったら?」
 リサ:「……なるほど」
 愛原:「あ、それなら、Amazonギフトカードにしようか?リサのボーナス」
 リサ:「最高額!最高額でお願い!」
 愛原:「……そんなに出せない」

 ここで労使交渉が始まってしまった。

 高橋:「先生、俺はかつ丼でいいっスか?」
 愛原:「ああ、いいよ。リサは?」
 リサ:「チーズインハンバーグ定食」
 愛原:「そうか。俺達、飲み物はどうしようか?リサはドリンクバー一択だけど」
 高橋:「ビールにします?」
 愛原:「そうだな。一杯くらいならいいか」

 私達はビールの中ジョッキにした。

 リサ:「Amazonギフトの最高額は5万円だって!」
 愛原:「5万円か……。考えるなァ……」

 そもそも、デイライトさんからどれだけの報酬が貰えるのか、まだ不透明だ。
 それ次第なら、ポーンと買ってあげても良いのだが……。

 高橋:「せ、先生。俺のことは、気にしなくていいですから……」
 愛原:「あ、いや、うん。ちゃんと考えるから、心配しなくていいぞ」

 先にビールが運ばれてくる。
 リサはやっぱりオレンジジュース。
 しばらくして、料理が運ばれてくる。
 高橋はかつ丼なのだが、高橋の向かいに座るリサは、ハンディタイプのスタンドライトを取り出した。
 ガチャガチャで300円くらいのカプセルに入っているヤツである。
 それを高橋の前に置いて、彼を照らす。

 高橋:「な、何だよ?」
 リサ:「美味いか?かつ丼食べたら、仲間の居場所を言うんだぞ?」
 高橋:「そんな取り調べ受けて……た記憶はちょっとあるけどよ!やめろや!」
 愛原:「やっぱりあるのか……。でも、かつ丼は食ってないだろ?」
 高橋:「食ってはいませんけど、取り調べは……。『またオマエか!今度はパトカーに火を点けたそうだね!?』って言われて、『はい、ちょっと点けました。てへてへ』『しかも、火炎瓶投げつけたそうだね!?』『はい。ちょっと投げたら、ちょっと命中しました。てへてへ』ってな感じで……」
 愛原:「ああ、そう……」
 高橋:「取りあえず眩しいから、ライト退けろや」
 リサ:「てへてへ」

[同日19:00.天候:晴 同地区内 アミューズパーク名取りんくう店]

 夕食後は、駅近くのアミューズパークに寄ってみた。
 バッティングセンターや釣り堀がある他、ゲームセンターもある。

 リサ:「ふん!ふん!ふんふんふん!ふん!」

 リサ、“太鼓の達人”を慣れた手付きで叩く。

 愛原:「凄い上手だなぁ……」
 高橋:「こいつ絶対ェ、学校帰りにゲーセンに寄り道してますよ」
 愛原:「まあ、人間の少女らしくていいと思うが……」

 で、高橋は高橋で……。

 高橋:「うらっ!……っしゃあ!!」

 ドライブゲームを楽しむ。
 もちろん、MTモードで。
 慣れた様子でギアチェンジして、アクセルを吹かしたり、ブレーキ掛けながらドリフトしたり……。
 するとリサ、ニターッと笑い、自分のスマホを操作する。
 スピーカーから、パトカーのサイレンが聞こえて来て……。

〔「そこの車、止まりなさい」〕

 と、聞こえて来た。

 高橋:「! サツだ!まけっ!!」

 高橋、ギアをシフトダウンし、アクセルをベタ踏みして加速した。

〔「こらぁっ!止まれって言ってんだろーっ!ナンバー分かってんだぞーっ!!」〕

 高橋:「うるせぇっ!止まれと言われて止まるかってんだ!!」

 すると高橋運転のGTO、警報機が鳴る踏切に差し掛かる。

 愛原:「おい高橋、電車来てんぞ!」
 高橋:「大丈夫っス!」

 高橋、何と電車が来ている踏切に特攻!
 上下線の電車からけたたましい警笛が鳴らされ、急ブレーキの音が聞こえて来るが、踏切を越えてしまった。

 高橋:「先生、サツは撒きました!」
 愛原:「ばかやろ!迷惑かけ過ぎだわ!」

 こいつ、新潟でこんなことばっかやってきたんだろうなぁ……。

[同日21:00.天候:晴 同地区 スーパーホテル美田園・仙台空港]

 遊んだ後でホテルに戻る。

 リサ:「あー、楽しかった」
 愛原:「そりゃあ良かった」

 あの後、高橋とリサがエアホッケーをやった。
 2人とも白熱の戦いを実施していたが、何故か男性客の視線がリサに注がれていた。
 リサが激しい動きをする度にスカートが捲れ、白いショーツがチラチラ見えていたからだった。
 因みに私は、クレーゲームに勤しんだ。
 取れたぬいぐるみの景品は、リサにあげた。

 愛原:「さっさと風呂入って寝よう。明日は早いし」
 高橋:「そうっスね。そうしましょう。天然温泉の大浴場がありますよ?」
 愛原:「あー、もちろんそこに入るさ」
 リサ:「わたしも行くー!」

 それは良かったのだが、客室はコネクティングルームである。
 リサが堂々と私達の部屋で着替えをしようとするものだから、さすがに隣の部屋で着替えさせた。
コメント
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