[8月15日11:00.天候:晴 宮城県仙台市太白区秋保町 宮城交通『秋保・里センター』バス停→奥州秋保温泉“蘭亭”]
(取材時は冬季だったので、積雪があるが、作中は夏季です)
目的地の最寄りバス停でバスを降りた私達。
バス停の名前にもなっている『秋保・里センター』とは、要は秋保温泉界隈の観光案内所のような所である。
実際バス停は、このセンターの敷地内に入ったロータリーにある。
ここからホテルへの送迎をしてくれることもあるようだ。
因みにホテルまでは、徒歩7~8分といったところ。
尚、昭和30代までは長町駅から秋保電鉄という私鉄が通っており、その秋保温泉駅跡の近くだったりもする。
仮に今も残っていたとするならば、恐らく、富山ライトレールのような感じになっていたか、或いは江ノ電とか箱根登山鉄道のような感じになっていたのではないだろうか。
廃線跡の一部は、今でもバス専用道路として活用されている。
愛原:「フロントに行ってくるから、ちょっと待ってて」
リサ:「きれいなホテル!」
高橋:「実際泊まったりしたら、高いんだろうな」
ホテルに着いて、私はフロントに向かった。
父親:「安いプラン使えば、このくらいの人数、2泊は行けるだろう」
母親:「そうね」
高橋:「え……?安いプランでも、ン万円はするんスけど……」
金銭感覚が、明らかに氷河期世代やゆとり世代と違う団塊世代。
リサは真っ当な人間生活を送れればバブル世代だったはずだか、送れなかったので、その感覚は無い。
[同日11:30.天候:晴 蘭亭・大浴場]
高橋:「不肖の弟子、高橋正義が、先生方のお背中を流して差し上げます!!」
愛原の父親:「……彼はいつも、こんな調子なのか?」
愛原:「お、温泉に来た時だけだよ。家では、こんな感じじゃないよ!……おい、高橋。まずは父さんの背中から流してやれ」
高橋:「了解でヤンス!」
しかし参ったなぁ……。
高橋だけでも話しておきたいのに、父親がいるのでは、なかなか話せないなぁ……。
父親:「この日帰り入浴は、何時までなんだ?」
愛原:「15時までだよ」
父親:「なるほど。15時で今日の宿泊客と入れ替わるというわけか」
因みに休憩所としては、宴会場の個室が充てられる。
客室はさすがに日帰りプランでは、使わせてもらえないようだ。
尚、昼食もその個室で取ることになる。
父親:「なかなか上手だね?」
高橋:「あざーっす!これも、先生の為です!」
父親:「何か、凄いのに惚れられたね?」
愛原:「時々、俺自身がBOWなのでは?と思うことがあるよ」
高橋:「え……?」
高橋の表情が凍り付き、手がピタッと止まった。
愛原:「あ、いや!俺が勝手にそう思うことがあるという話だよ!?実際は人間だろうさ!」
高橋:「……そ、そうですよね」
まあ、リサからは多少なりともGウィルスを送り込まれているのだろうが、それに関しては高橋も同じだろうからな。
Gウィルスと特異菌はどちらが強いのかが気になるところだが、そのような実験が行われたという話は聞かない。
どちらも制御不能になったらヤバい代物なので、怖くて実験できないのかもしれない。
[同日12:00.天候:晴 蘭亭1F宴会場]
温泉で汗を流した後は、再び個室に戻り、そこで昼食を取る。
昼食の内容は、日帰りプランやホテルによっても千差万別のようだ。
食事処で適当に取ってくれというホテルもあれば、宿泊客の夕食並みに立派な御膳を出す所もある。
このホテルの私達のプランでは、松花堂弁当が出た。
日帰りプランでも比較的高いのを予約したので、弁当の内容もギッシリである。
リサ:「おー!」
高橋:「先生、ビールをどうぞ!」
愛原:「ありがとう」
父親:「食べ終わったら、時間があるなぁ……」
愛原:「俺達、プールに入って来るよ」
父親:「ハハハ、若いっていいねぇ……」
母親:「私はマッサージでも受けようかしら?」
父親:「なるほど。それもいいな。マッサージチェアだけじゃ、どうしても腰の痛みがなぁ……」
母親:「せっかく来たんだものね」
愛原:「じゃあ、俺達はプールに行くよ」
よし。
これで私達だけで別行動できそうだな。
[同日13:00.天候:晴 蘭亭・屋外プール]
リサは黒いスポブラとビキニショーツという水着で、プールに出た。
一方、高橋はオレンジ色のサーフパンツ。
私は麦わら帽子に赤いアロハシャツに、下はベージュのハーフパンツにサングラスを掛けてみた。
明らかに、プールに入らない気満々である。
リサ:「いや、先生入ろうよ!」
高橋:「一応、リサの監視も俺達の仕事ですよ?」
リサ:「そうだよ。入ってくれないと、プールの中に寄生虫放っちゃうよ?」
愛原:「やめなさい!……それより、話があるんだ」
リサ:「え?」
私はプールサイドにあるパラソルの下に、2人を誘った。
リサと高橋はプールに入った後なので、体が濡れている。
パラソルの下には白いプラスチック製のテーブルと椅子が置かれているので、そこに座った。
愛原:「実はな……」
私は善場主任からの電話の内容を話した。
高橋:「マジっすか!?」
因みにあの後、LINEで続報も入ったので、その話もした。
リサ:「鬼斬り先輩の家族が、わたしを斬りに来たの?」
リサは中等部代替修学旅行の時、会津の物産館で偶然、栗原蓮華の祖父と遭遇した時の事を思い出した。
すぐに自分を『鬼』と見破ってきたのだ。
蓮華の祖父は仕込み杖を持っていて、それが鬼の首を斬る武器になっていたようだ。
愛原:「警察が止めに入っている最中なんだけど、危ないから、明日にした方がいいらしい」
高橋:「マジっすか。リサの方はともかく、そんなんで先生に迷惑掛けないで欲しいっスね」
愛原:「一応、蓮華さんから謝罪のLINEが来たよ」
リサ:「この、『先生への謝罪の為なら、体を張ります』ってどういう意味?」
高橋:「そりゃあ、アレだろ。『お詫びに肉便器になります』って意味だろ」
愛原:「そんな謝罪、求めてないって!」
リサ:「わたしの血肉になるという意味なら許す」
愛原:「BSAAからも蜂の巣にされるからやめとこうな?」
高橋:「それで、どこのホテルに泊まれと?」
愛原:「まだ、連絡が来てないんだ。ここだといいがな」
高橋:「あー、それは楽っスね」
だが、そんなに世の中は甘くないのである。
尚、プールから戻ると、スマホに善場主任からのLINEが入っていた。
それによると仙台空港近くのホテルを取ったらしく、明日の航空券も大至急、そこのホテルに届くようにしたという。
愛原:「凄いな、デイライトさんは」
高橋:「さすがはバックに、国家機関が付いているだけのことはありますね」
愛原:「それにしても、栗原家の暴走だけで、ここまでやるものかね?」
高橋:「あー、まあ確かにそうっスね。サツを動かせる力があるんだから、そのままタイーホしちゃえばそれでOKっスよね?」
愛原:「他にも何かトラブルが発生しているのかもしれないな」
とはいうものの、今の私達にできることは、デイライトさんの指示に従うことだけである。
(取材時は冬季だったので、積雪があるが、作中は夏季です)
目的地の最寄りバス停でバスを降りた私達。
バス停の名前にもなっている『秋保・里センター』とは、要は秋保温泉界隈の観光案内所のような所である。
実際バス停は、このセンターの敷地内に入ったロータリーにある。
ここからホテルへの送迎をしてくれることもあるようだ。
因みにホテルまでは、徒歩7~8分といったところ。
尚、昭和30代までは長町駅から秋保電鉄という私鉄が通っており、その秋保温泉駅跡の近くだったりもする。
仮に今も残っていたとするならば、恐らく、富山ライトレールのような感じになっていたか、或いは江ノ電とか箱根登山鉄道のような感じになっていたのではないだろうか。
廃線跡の一部は、今でもバス専用道路として活用されている。
愛原:「フロントに行ってくるから、ちょっと待ってて」
リサ:「きれいなホテル!」
高橋:「実際泊まったりしたら、高いんだろうな」
ホテルに着いて、私はフロントに向かった。
父親:「安いプラン使えば、このくらいの人数、2泊は行けるだろう」
母親:「そうね」
高橋:「え……?安いプランでも、ン万円はするんスけど……」
金銭感覚が、明らかに氷河期世代やゆとり世代と違う団塊世代。
リサは真っ当な人間生活を送れればバブル世代だったはずだか、送れなかったので、その感覚は無い。
[同日11:30.天候:晴 蘭亭・大浴場]
高橋:「不肖の弟子、高橋正義が、先生方のお背中を流して差し上げます!!」
愛原の父親:「……彼はいつも、こんな調子なのか?」
愛原:「お、温泉に来た時だけだよ。家では、こんな感じじゃないよ!……おい、高橋。まずは父さんの背中から流してやれ」
高橋:「了解でヤンス!」
しかし参ったなぁ……。
高橋だけでも話しておきたいのに、父親がいるのでは、なかなか話せないなぁ……。
父親:「この日帰り入浴は、何時までなんだ?」
愛原:「15時までだよ」
父親:「なるほど。15時で今日の宿泊客と入れ替わるというわけか」
因みに休憩所としては、宴会場の個室が充てられる。
客室はさすがに日帰りプランでは、使わせてもらえないようだ。
尚、昼食もその個室で取ることになる。
父親:「なかなか上手だね?」
高橋:「あざーっす!これも、先生の為です!」
父親:「何か、凄いのに惚れられたね?」
愛原:「時々、俺自身がBOWなのでは?と思うことがあるよ」
高橋:「え……?」
高橋の表情が凍り付き、手がピタッと止まった。
愛原:「あ、いや!俺が勝手にそう思うことがあるという話だよ!?実際は人間だろうさ!」
高橋:「……そ、そうですよね」
まあ、リサからは多少なりともGウィルスを送り込まれているのだろうが、それに関しては高橋も同じだろうからな。
Gウィルスと特異菌はどちらが強いのかが気になるところだが、そのような実験が行われたという話は聞かない。
どちらも制御不能になったらヤバい代物なので、怖くて実験できないのかもしれない。
[同日12:00.天候:晴 蘭亭1F宴会場]
温泉で汗を流した後は、再び個室に戻り、そこで昼食を取る。
昼食の内容は、日帰りプランやホテルによっても千差万別のようだ。
食事処で適当に取ってくれというホテルもあれば、宿泊客の夕食並みに立派な御膳を出す所もある。
このホテルの私達のプランでは、松花堂弁当が出た。
日帰りプランでも比較的高いのを予約したので、弁当の内容もギッシリである。
リサ:「おー!」
高橋:「先生、ビールをどうぞ!」
愛原:「ありがとう」
父親:「食べ終わったら、時間があるなぁ……」
愛原:「俺達、プールに入って来るよ」
父親:「ハハハ、若いっていいねぇ……」
母親:「私はマッサージでも受けようかしら?」
父親:「なるほど。それもいいな。マッサージチェアだけじゃ、どうしても腰の痛みがなぁ……」
母親:「せっかく来たんだものね」
愛原:「じゃあ、俺達はプールに行くよ」
よし。
これで私達だけで別行動できそうだな。
[同日13:00.天候:晴 蘭亭・屋外プール]
リサは黒いスポブラとビキニショーツという水着で、プールに出た。
一方、高橋はオレンジ色のサーフパンツ。
私は麦わら帽子に赤いアロハシャツに、下はベージュのハーフパンツにサングラスを掛けてみた。
明らかに、プールに入らない気満々である。
リサ:「いや、先生入ろうよ!」
高橋:「一応、リサの監視も俺達の仕事ですよ?」
リサ:「そうだよ。入ってくれないと、プールの中に寄生虫放っちゃうよ?」
愛原:「やめなさい!……それより、話があるんだ」
リサ:「え?」
私はプールサイドにあるパラソルの下に、2人を誘った。
リサと高橋はプールに入った後なので、体が濡れている。
パラソルの下には白いプラスチック製のテーブルと椅子が置かれているので、そこに座った。
愛原:「実はな……」
私は善場主任からの電話の内容を話した。
高橋:「マジっすか!?」
因みにあの後、LINEで続報も入ったので、その話もした。
リサ:「鬼斬り先輩の家族が、わたしを斬りに来たの?」
リサは中等部代替修学旅行の時、会津の物産館で偶然、栗原蓮華の祖父と遭遇した時の事を思い出した。
すぐに自分を『鬼』と見破ってきたのだ。
蓮華の祖父は仕込み杖を持っていて、それが鬼の首を斬る武器になっていたようだ。
愛原:「警察が止めに入っている最中なんだけど、危ないから、明日にした方がいいらしい」
高橋:「マジっすか。リサの方はともかく、そんなんで先生に迷惑掛けないで欲しいっスね」
愛原:「一応、蓮華さんから謝罪のLINEが来たよ」
リサ:「この、『先生への謝罪の為なら、体を張ります』ってどういう意味?」
高橋:「そりゃあ、アレだろ。『お詫びに肉便器になります』って意味だろ」
愛原:「そんな謝罪、求めてないって!」
リサ:「わたしの血肉になるという意味なら許す」
愛原:「BSAAからも蜂の巣にされるからやめとこうな?」
高橋:「それで、どこのホテルに泊まれと?」
愛原:「まだ、連絡が来てないんだ。ここだといいがな」
高橋:「あー、それは楽っスね」
だが、そんなに世の中は甘くないのである。
尚、プールから戻ると、スマホに善場主任からのLINEが入っていた。
それによると仙台空港近くのホテルを取ったらしく、明日の航空券も大至急、そこのホテルに届くようにしたという。
愛原:「凄いな、デイライトさんは」
高橋:「さすがはバックに、国家機関が付いているだけのことはありますね」
愛原:「それにしても、栗原家の暴走だけで、ここまでやるものかね?」
高橋:「あー、まあ確かにそうっスね。サツを動かせる力があるんだから、そのままタイーホしちゃえばそれでOKっスよね?」
愛原:「他にも何かトラブルが発生しているのかもしれないな」
とはいうものの、今の私達にできることは、デイライトさんの指示に従うことだけである。