文楽発言で話題になり、ご高齢であるし、機会があれば是非お話を聞いてみたいと思っていたので、稽古時間を変更して参加しました。
ホテルの宴会場の後ろから、確かな足取りで演台まで歩いて来られました。92歳とは思えぬお元気なお姿でした。簡単なメモを手に、京都と自分のかかわりについて述べられました。「源氏物語」を手に取ったことから日本への興味が始まったこと、日本へやっと行けることになった時、京都へ行くことしか考えていなかったこと、はじめて京都に着いた夜、先斗町を散歩して浮世絵の中にいるような気分になったこと等など、ユーモアを交えて話されました。帰化する前はお客さんであったので、色々意見を求められてもただニコニコとしていただけでしたが、日本人となった今は、文楽発言に見られたように、率直に意見を述べていきたいと言われました。こんなにも日本を愛して下さっているのだなあということが実感されました。本当に素晴らしい時間を持てたことに感謝です。