バフン紙

　小中学校の頃、学校で配られるプリントはいわゆるガリ版刷りで紙は「バフン紙」と呼ばれるワラ半紙だった。ガリ版はロウが塗られた原稿用紙に鉄筆で下書きし、1枚1枚インクを付けながら手動で刷っていく。

　いつしか紙も上質のコピーになっていった。例えば官公庁の印刷物。税務署は納税者に申告書やその説明書などいろいろな物を郵送する。それが最近ある変化が顕著になっている。紙が昔の「バフン紙」のように明らかに質が悪くなっている。

　こんなところにも、国の懐の寂しさを感じずにいられないのである。

某国の国家予算に匹敵

　たった一人の税金が国家予算に多大な影響を与えることになってしまった。武富士の前会長が息子に与えた株が贈与に当たるかどうかで争われていた件の最高裁判決で、このたび国側の敗訴が決定した。

　還付加算金を含め約2000億円が武井氏側に返還されるという。うち700億円は全くの余分な金(還付加算金)で、その間国が運用して増やしてくれていたようなイメージさえある。

　2000憶円といえば環境省の1年分の予算に匹敵するという。世界のどこかの国の国家予算といってもおかしくない規模だ。

　ただ会社としての武富士は倒産し、現在は事業再生を目指している。そのなかで過払い金の返還訴訟を起こされており、今回の2000憶円は返還訴訟の新たな「財源」として請求される見込みですんなりと武井氏の懐に入るかどうかは定かではない。

　

　

パソコンを殴る

　どうやら私は「世界標準」らしい。パソコンユーザーを対象に実施したアンケート調査によると、世界中の約5人に2人が「使用中のPCに憤りを感じたことがある」と回答していたことが判明した。

　そして11％の回答者が使用中のPCに対して「壊れてもいい」と答え、9％の回答者は実際に使用中のPCをバットやこぶしなどで殴ったことがあると答えており、3％は嫌悪感からPCを地面や床、物に対して実際に投げつけたことがあるという。

　パソコンは世界中でユーザーの思い通りに動かなくて、ユーザーから殴られたり蹴られたりしているようだ。パソコンを「おんどりゃー」と言いながら殴るのはごく普通の行為なのだ。

　短気でモノに八つ当たりしているのは私ばかりではないらしい。

税務調査官の目 その44

　銀行に貸金庫を持っていると年に一度通帳から金庫の利用費用が落とされる。調査官は「カシキンコリヨウリョウ」として通帳に記載があるのを目ざとくチェックする。

　ベテランの調査官は即「貸金庫をお持ちですね。中を見せていただくために銀行へ同行させてください」とは言わない。まず「このあと予定がありますか？」と尋ね、「昼から商談があるので」とか言われるとその日はやり過ごし、「大丈夫です」と言ったタイミングで「突然ですが銀行へ同行してください」と言うのである。

　通常、調査があるのが事前に分かると事務所の金庫やロッカーなどは整理するのだが、銀行の貸金庫は意外に盲点となる。

　ちなみに私も貸金庫を持っているが、中には何も入っていない。

居酒屋の憂鬱

　帝国データバンクによると「居酒屋」の倒産が過去最多になったという。飲酒運転に対する罰則の強化や駐車違反の取り締まり強化に加え、大手チェーン店との低価格競争が激化していることが要因という。

　消費者の低価格志向が強まる中で、全体の客単価は２．１％減と前年（１．７％減）より落ち込み幅が広がり、デフレ傾向が強まっていることが鮮明になっている。

　地域の単独店は粗利益率が平均65%なのに対して、大手チェーン店は大量仕入れ・セントラルキッチン方式で10%以上高い。これではとても太刀打ちできない。

　意外なことに居酒屋は日本独特の飲食形態だという。従来の「居酒屋→スナック→スナック→ラーメン」という巡回ルートが崩れた今、居酒屋の新たな憂鬱が始まる。