桒田三秀税理士

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税務調査官の目 その16

2010-08-01 07:47:40 | 税と会計
 税務署には「酒倍率」という目安がある。酒を出す飲食店については、酒の仕入れの10倍が売上になるという基準だ。

 酒の仕入れが100万円あるのに売上を700万円しか計上していない場合、売上を300万円抜いていると推定される。これはすごく大雑把なようだが意外に当たっている。すこし気の回る人は、売上を抜いた比率で仕入れも抜く。表の酒屋と裏の酒屋を使い分けるのだ。裏の酒屋は証拠を残さないために現金のディスカウント店を使うケースが多い。

 ラーメン屋なら「麺倍率」。ラーメン以外にチャーハン、ギョーザ、ビール程度のメニュー構成の店があったとする。客によってはラーメンだけの客もいるし、ギョーザを食べる客、ビールを飲む客もいる。「麺倍率」とはそれらを平均すると麺一玉あたりの売上は800円前後だという基準だ。これもほぼ実態に合致している。

 スナックだと「小瓶ビール倍率」。ビールの小瓶はスナックではだいたいお客が店側のホステスに奢るケースが多い。そこでビールの一本あたりの売り上げは○○円になるという基準だ。年間のビール本数掛ける○○円が年間の売上になるというものだ。

 ラブホテルなら「シーツ倍率」。リネン屋に出したシーツの枚数掛ける○○円が売上になるという基準だ。

 こんな単一的な基準ばかりではなく、税務署はいろいろな角度から売上や所得を推定する基準を持っている。もちろん、こうした基準に合致しないからと言って一方的に「修正申告」ということにはならない。きちんと売上を計上していることが帳簿等で説明出来れば問題ない。

 

 
 

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