"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

今年は麦で【手前味噌仕込みの会】やりました

2014年02月12日 11時28分30秒 | 主催する催し

 旧一月十三日。今年の「立春寒波」は強力です。本当に地球温暖化が進行しているか、と思ってしまうほど。春を予感させる低気圧は、南岸を通過するために、関東でも珍しく大雪に見舞われました。今度の週末もひょっとすると、という予報になって来ましたが、どうでしょう。

 恒例の"食"の
イベント【手前味噌仕込みの会】。今年で9回目となりましたが、2月11日に無事開催しました。寒い中、ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました。
14_02_12top  今年の味噌は、参加者からのリクエストがいくつか寄せられたので、麦こうじ十割で仕込みました。こうじの原料となる麦は、佐賀県産の二条大麦でサチホゴールデンという品種です。主にビールの原料となる麦です。なるほど、真空パックで届くこうじの
袋を開けると、ビール工場を見学した時の記憶が蘇る独特の香りが広がります。
 麦こうじと塩をよく混ぜるところから作業がスタート。麦こうじは水分が適度にあって、しっとりしています。真空パックでしっかり固められていたので、丁寧にほぐしてゆきます。続いて、こうじと塩をムラなく混ぜ合わせてゆけば、第一段階は終了(写真左上)大豆が茹で上がるのをしばし待ちます。
14_02_12misosikomi  麦こうじはなかなかお店などで市販されて
おらず、珍しいので、ここで一品作ってみました。『もろみ納豆』です。納豆と、松前漬けなどで使われる粘りが強い「がごめ昆布」(千切りで乾燥しているもの)、調味料(みりん・酒・醤油)、麦こうじを合わせてよく混ぜ、3~4時間慣らします。こうじ菌と納豆菌の相乗効果やネバネバ食感は、食べて美味しく、体にも良さそうです。打ち上げのお楽しみです。
 今年の大豆はちょっと固かったのでしょうか。茹で上がりまで2時間ほどかかりました。ここからは力仕事です。ボウルにいれた大豆をポテトマッシャーで潰してゆきます。厚手のポリ袋の入れて、ビール瓶で潰すというのも、簡単なようです。(写真右上)
 すべて潰し終えたら、先ほどのこうじと塩に合わせてゆきます。そのままでは固いので、大豆の茹で汁を少しずつ加えて、味噌の固さを調整してゆきます。固過ぎると熟成が遅くなってしまい、反対に柔らか過ぎると熟成の途中で水分が溢れ出てしまうこともあり、この加減が一番難しいポイントです。完成品の味噌の固さを想定し、皆さんの意見を聞きつつ良い加減を決めました。(写真右下)
 最後は、
皆さんの1升瓶に2kgずつ詰めてゆきます。空気が入らないように、蓋が浮かずにしっかり密閉できるように注意します(写真左下)と、これで作業は完了。お疲れ様でした。

 作業の後は、片付けをして打ち上げ&宴です。結構体を使った作業の後咽を潤すビールは格別です。 居酒屋ニュー信州特製の味噌料理が振る舞われました。14_02_12furumai料理の味噌は、もちろん手前味噌です。まずは、サクラマスの西京焼きと蒸かし里芋の手前味噌乗せ(写真左上)、そして「もろみ納豆」(写真左下)です。絶妙な甘みと旨味の西京焼きは絶品でした。もろみ納豆は、混ぜて3時間くらいでしたが、もう1~2時間置くと、こうじが柔らかくなって美味しいかと思います。続いて、ふろふき大根(写真右上)。寒い日の大根と柚子味噌はご馳走です。そして、手前味噌の味噌汁(写真右下)。王道ですね。14_02_12kohome_2
 宴もたけなわ、ここで余興をひとつ。仕込作業の最年少参加者、千夏ちゃん(小学校2年生)のお兄ちゃん、龍一君(5年生)が勉強中の落語を一席。「子ほめ」を披露(写真)してくれました。修業の成果を聞かせて、暖かい拍手を貰っていました。

 秋には、皆の家で熟成した味噌を持ち寄って、【手前味噌自慢の会】という名の宴をやります。どうぞ、お楽しみに。お疲れ様でした。


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