"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『居酒屋寄席~師走の会』ご来場感謝いたします

2012年12月12日 11時23分48秒 | 主催する催し

 旧十月二十九日。旧暦十月の晦日です。日の出前に二十九日目の薄い月が金星に寄り添って上り、空が明るくなってゆくのに伴ってすぅーっと姿を消してゆきました。
 明日は旧暦の十一月朔。旧暦十一月は「霜月」とか「雪待月」といった月名がありますが、今年の寒さは異常なようです。東京では12月10日の朝に初霜(平年より10日早)・初氷(平年より7日早)を観測しました。日本海側の大雪は深刻な被害をもたらす可能性が出てきています。新潟県魚沼市の入広瀬ではすでに190センチ以上の積雪だそうです。冬の寒さはまだこれからが本番です。雪国のみなさんには心よりお見舞い申し上げます。

 師走の恒例となりました『居酒屋寄席~師走の会』。12月8日土曜日に渋谷の居酒屋ニュー信州で開催致しました。たくさんのお客様にお運びいただき、深く感謝致します。
 今回の出演は立川志の輔一門の筆頭二つ目、立川志の吉さん。独演での開催となり、古典落語をたっぷり二席聞かせて下さいました。
B1212shinokichi 一席目は、骨董品屋に仕える小僧・与太郎が来客に頓珍漢な受け答えばかりし、やがてやってきた上方弁の男が早口で捲し立て、与太郎はおろかおかみさんまで翻弄されてしまうという滑稽噺『金明』。志の吉さんは、何度と無く繰り返される上方弁の早口口上の正確さはもちろん、与太郎のおとぼけぶりにおかみさんのうろたえぶりを見事に表現し、聞く者をぐいぐい惹き付けてゆきました。
 二席目の前に、志の吉さんは来年の豊富を語ります。いよいよ真打ち昇進を目指して大きな一歩を踏み出す、とのことです。志の輔一門から初の真打ち誕生なるか、楽しみにしたいと思います。
 といった話のあとは、間男のしくじりが題材となっている艶笑落語の定番『紙入れ』。志の吉さんの落語は登場するキャラクターがそれぞれに立っていて、いつも噺の世界に瞬時に引き込まれる。サゲがわかっていてもクスッとさせられるのです。お見事でした。

 落語のあとは『居酒屋寄席』の通例、酒宴となりました。志の吉さんの発声で乾杯したお酒はニュー信州からの振舞酒。今宵はこのところ人気沸騰中、三重県の「而今・特別純米にごり酒」。B1212shiwasunokai新酒が出来上がるこの頃だけの限定酒です。振舞酒と共にテーブルに並んだ季節の味覚のお楽しみは、寒さが厳しくなってぐっと旨味が増してきた露地物のほうれん草。そして駿河湾で捕れたきびなごの南蛮漬け(写真右上)でした。

 志の吉さんはすべてのテーブルを回って、お客様とのお話を楽しんで頂きました。今宵は落語初体験のお客様も何人かいらっしゃり、落語に関する素朴な疑問
を投げかけられたり、一方常連のお客さんからはマニアックな指摘を受けたりと、てんてこ舞いでした。B1212uchiage最後は忘年会らしく、志の吉さんの音頭三本締めてお開きです。

 ご来場いただいたお客様、志の吉さん、居酒屋ニュー信州の皆さん、写真を提供して下さり
ホールのお手伝いをして下さる水野稔さん。ありがとうございました。
 
次回の『居酒屋寄席』は、初夏の頃に開催しようと思っています。。どうぞ、お楽しみに。


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