"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

街で深まる秋の足音を感じる

2009年09月25日 21時14分16秒 | 主催する催し

 旧八月七日。秋分の日を二日過ぎました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、今年は随分早くに暑さが過ぎ去ってしまったように感じます。8月頃までは頭の上から降り注いでいた陽光も、いつの間にか低くなって晴れた日は眩しいです。徐々に秋の深まりを実感するこの頃です。
 二週間ほど日本に滞在し、秋分の日に上海にやってきました。いつものように空っぽにした冷蔵庫に野菜をなんとかしなければ、と街中の市場に行ってみると、どことなく並んでいる野菜や果物が変わっていることに気がつきます。日本には無くとても使いやすく美味しかった韮の花はすっかり姿を消し、葉もの野菜が充実してきました。茸や栗、里芋も目立って来ています。 魚屋さんでは蛙が少なくなって来て、様々な蟹が並び始めています。一見するといつも同じように感じる市場の品物からも季節の移ろいが見られるのですね。

0925nanokatsuki 里芋が美味しくなってくると、芋名月”こと中秋の名月です。今年の旧八月十五日は10月3日(土)です。写真の月は今日七日の月。これがふっくら丸くなって来ると、中秋の名月になります。中国では中秋の名月に月餅を送り合う習慣が昔からあります。スーパーやデパートでは盛んに豪華なパッケージの月餅が売られ、街でも紙袋を下げた人をたくさん見かけるようになりました。わたしもたくさん頂き、しばらく主食は月餅でもいいほどです。今年の中秋の名月は中国の建国記念日、国慶節(10月1日)の休暇に重なるので、お祭りムードで華やいでいます。急速に近代化が進み、街から古いものが少なくなってビルがどんどん建ってゆきますが、人々の暮らしや習慣からは、いつも季節感が伝わってくるのはいいことだなぁ、と思います。日本にいてもこの心意気は大切にしたいものですね。