旧七月十四日、明日は旧暦のお盆、そして二十四節気の【立秋(りっしゅう)】です。秋と言われてもほとんど実感できませんが、台風のシーズンが迫っていることを天気図が示していますね。どうやら今週後半から影響で天気が崩れるようです。明日が立秋と言うことは今日までが土用。暑中見舞いは今日まで、明日からは残暑見舞いになりますよ。
8月6日は佃にある住吉神社の例祭でした。大祭が三年に一度のため、今年、来年は陰の祭りです。御神輿の巡行はなく、ひっそりとした雰囲気で祭礼の儀式だけが執り行われます。8月4日の夕方には各町会の祭り組織、睦がそれぞれ揃いの浴衣を着て、勝どきにあるお旅所(住吉神社の分社)でお参りをし、佃までを練り歩き、宵宮の儀式を行います。境内を中心に佃島界隈では、奉納の江戸里神楽が行われたり、伝統的な獅子頭のお披露目をしたり、静かな中にも祭りの雰囲気を感じることができます。周囲がすっかり埋め立てられたとはいえ、隅田川河口の小島であった名残で、夕方には風が心地良く、いつになくどこか凛とした空気が漂います。
(左上より時計回りで。幟があること以外普段と変わらずひっそりとした住吉神社の境内/各町会の提灯を先頭に夕刻の住吉神社を目指す隊列/境内の神楽殿からは若山胤雄社中の神楽囃子が響きます/御神輿が無い頃の名残だという説がある伝統的な獅子頭は、佃で3箇所に設けられている)
旧六月二十七日。梅雨前線が本州に沿ってべったりと張り付き、各所で水害をもたらせています。被災地の方には心よりお見舞い申し上げます。東京も平年の梅雨明け日を過ぎてなお週間天気予報には傘の行列が。このところは涼しい日が続き、過ごしやすいなぁ、と実感していたら、いつしか土用に入り(7/20)、明日は二十四節気の【大暑(たいしょ)】で、土用の丑の日でもあります。夏の太陽が恋しくなってきました。
佃島の盆踊りも終わり、その余韻が何となく体に残っている頃、都内のフォトサロンで昭和の東京、下町の息吹を伝える写真展を観に行ってきました。報道カメラマンとして長いキャリアのある中田利昭さんの作品展『遙かなる佃』です。
(←図録の表紙になっている作品「昭和39年3月22日 佃島渡船の船室」)
佃大橋が架かり、隅田川を行き来する渡し船が姿を消す直前の昭和30年代中盤から昭和の終わりまでを描いたモノクロームのプリントによる作品の数々。生活感溢れる人々の表情、近所の人たちとの熱い連帯感や人情が伝わってくるドキュメンタリー・タッチの作品からは、演出など一切ないその時代の等身大な佃島が感じられ、とても感動的でした。ある部分は「今も変わっていないなぁ」と思わせ、またある風景は「いい時代だったんだろうなぁ」と憧れの気持を抱かせてくれます。7/30(日)まで行われています。
◆中田利昭作品展「遙かなる佃」◆
2006年7月30日(日)まで
JCIIフォトサロンにて開催中ー詳しくはこちらをご覧下さい
会場にて図録800円と、ハードカヴァーの作品集が2800円で販売されています。自ら佃島について紹介した文章も魅力的です。
やっぱり銀塩モノクロプリントから伝わるメッセージは深いです。アナログレコードの暖かみのある音のように、心に響いてくるものがあります。中田さんにしてみれば月とすっぽん以下ですが、私も少しずつその魅力にはまり趣味的に撮りためています。右の写真はそんな1枚、昨年の佃島盆踊り最終日、音頭を終え櫓を降りかける飯田恒雄さんです。