自己満足日記

クラキンのささやかな道楽三昧  2009年3月14日開設

映画「ヒトラーのための虐殺会議」

2023年01月23日 16時48分44秒 | 映画

非常に物議を醸しそうなタイトルですが、中身もその通りの映画です。

ヒトラー率いるナチスドイツが、ユダヤ人の「隔離・追放」政策に行き詰まり、「処理」に政策変更する為に行なわれた「ユダヤ人問題の最終的解決」を議題とする会議「ヴァンゼー会議」を議事録に基づいて再現した実話映画です。(議事録が脚本になったような映画です)
映画『ヒトラーのための虐殺会議』オフィシャルサイト (klockworx-v.com)

現代のドイツでよくこの映画が作られた物だという驚きと、ホロコーストがたった90分程の会議で「ユダヤ人抹殺」という本質に誰も異を唱えないままに決まってしまったことに愕然としました。
そもそも「何故、ユダヤ人排斥政策」が実行されたのかという根本的な理由には殆ど触れられていないのが少し残念でしたが、何百万人というユダヤ人を効率よく低コストで最終処理するための方法を軍部と政府の高官15人が集まって、極めて冷静に紳士的に議論している異常さが静かに描かれています。
絶対的な独裁者によって洗脳され価値観や人間性を狂わされてしまった集団の狂気を垣間見た思いです。

今年最初の映画は非常にショッキングな作品でした。

お薦めかどうかと言う次元の作品では無いような気がします。

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8 コメント

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Unknown (gabaosan)
2023-01-23 18:03:08
クラキンさん、こんばんは。

空恐ろしい内容の様ですね。。。
観てみたい気持ちもありますが、やはり怖いかな、、、
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Re:Unknown (クラキン)
2023-01-23 18:16:16
ガバオさん、いらっしゃいませ。
本当に恐ろしい映画です。
見てはいけない物を見てしまったような気分です。
人間はここまで狂えるのか・・・と。
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重いです... (黒猫2号)
2023-01-24 19:51:00
こんばんは、クラキン様

有る意味とてつもなく重い内容の映画ですね(-_-;)
極悪人でもない、殺人鬼でもない、優秀な国家のトップ官僚が犯す人道犯罪は、自分がその立場だったらどうするのかと考えさせられてしまいます。

こう云うものを見ると最低でも2、3日間以上、頭の中がそれに占領されてしまうので、敢えて見ない読まないようにしているのですが、
やはり避けては通れない問題で有る事に変わりない訳で...。

WW2ドイツ物のキットはフィギュアやAFVを中心に、山ほどではないにしてもかなり作ってきましたが、
この大虐殺を行った組織(国家)の兵士や兵器を嬉々として作っていいのか!?という疑問がいつも根底にあります。
そう思いながらも相変わらず作り続けている訳なのですけどね(^^;。
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怖いもの見たさ半分・・・? (Choro-Poo)
2023-01-24 23:36:08
こんばんは。
辛い事ですが、狂ってしまえるのが人間なんでしょうね。
集団的価値観を一旦正義として信じてしまうとその「正義」の名の下にさえあれば全てが許されるというパターンでしょうか。
ヒトラーやスターリンらの行為としての蛮行なら分かり易く非難の対象に出来て楽チンですが、ほんとはそんな結果としての蛮行(行為)を生む集団的意志がどのような過程を経て成立して行くのかという事が重要だろうと思っています。
その意味でご紹介の映画が会議の経緯を追いつつそんな世界の在り方を示唆するような表現になっているとすれば辛くても見る価値がありそうです。
でも、それは見ないとわかりませんよね(汗)。
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Unknown (みず)
2023-01-25 00:09:18
クラキンさんが仰る通り、加害者のドイツで製作されたことは驚きです。紆余曲折ありつつも過去を振り返る姿勢は日本は大いに見習うべきと思います。
もしもDVDが出たら是非見たいですね。
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Re:重いです... (クラキン)
2023-01-25 07:31:34
黒猫2号さん、いらっしゃいませ。
とてつもなく重い内容の映画です。
極悪人でもない、殺人鬼でもない、優秀な国家のトップ官僚が犯す人道犯罪は、自分がその立場だったらどうするのか・・・ヒトラーというカリスマ的独裁者、権力者に洗脳された高官達が虐殺の現場とはかけ離れた環境で静かに進める会議の異常さ、誰一人根本的な意義は唱えない恐ろしさ・・。
現在のロシアの高官達も同じような状況なのかも知れません。
私も作品の大半が殺戮兵器という状況ですが、これは趣味の世界であり、ある意味戒めでもあると納得させています。
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Re:怖いもの見たさ半分・・・? (クラキン)
2023-01-25 07:40:56
Choro-pooさん、いらっしゃいませ。
「結果としての蛮行(行為)を生む集団的意志がどのような過程を経て成立して行くのかという事」・・・私もこの映画でそこのところが判るのかと期待して観ましたが、そうの意味では半分期待外れです。
第一次大戦後のドイツの苦境→国民的な不満の蓄積→ヒトラーというポピュリストの登場→問題と不満の原因を外に求める国家的な洗脳と暴走・・・言葉で言えばそういうことになってしまうのでしょうが、「会議の経緯を追いつつそんな世界の在り方を示唆するような表現になっているとすれば辛くても見る価値がありそうです。」・・については微妙です。
日本も含めて今の世界の情勢は、こういう危機に少し近寄っているかも知れません。
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Re:Unknown (クラキン)
2023-01-25 07:48:14
みずさん、いらっしゃいませ。
未だにナチスの残党狩りを行ない、アウシュビッツも保存し、こういう映画を作って、自らの過ちに正面から向き合う姿勢が現在のドイツが欧州諸国(かつての被侵略国)から認められる大きな要因だと思います。
翻って我が国が韓国や中国から未だに戦後処理を突きつけられているのは何故なのか・・・彼の国を非難するだけでは無く、自らの姿勢を顧みることも大いに必要では無いかと感じます。
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