ヴィム・ヴェンダース presents
「Rain」
製作年:2002
出演:マイケル・メレディス。ピーター・フォーク、ドン・メレディス
廃虚のようなビルが建ち並ぶクリーヴランド。
この町に生きるジャンキーの女やアルコール中毒の男ら6組の人々に、同時に悲劇が降りかかり……。
彼らが苦悩から立ち直る姿を、ピーター・フォークら実力派俳優たちが演じきった群像劇。
オリジナルタイトルは「THREE DAYS OF RAIN」
大雨の3日間。
今週息子を亡くしたタクシードライバー。
運命を呪う父、信号無視、左車線を走る。
お客に自分の不運を聞いてもらおうとする、雨の中疾走するタクシー。
老いた老人。
グル-プホームでの息抜きはBARで一杯、
でも小銭にも困って追い出され息子に嘘をついて金をせびる。
ヘロイン中毒のため赤ん坊の親権を剥奪されたシングルマザー。
里子に出された我が子のベビーシッターをする代わりに権力に身を売る。
典型的な中流階級の中の成功者。
人生の行方が見えてきているが、何かしら貧者に貢献しなければとの強迫概念を抑えきれない。
雨のせいで商品が台無しになったタイル職人。
借金返済に追い込まれ、最後の手段の強制取立てに出向く。
雨の3日間に繰り広げられるのは、クリーブランドの悲しい,哀しい、切ないエピソードの欠片ばかり。
クリーブランドの雨がもたらしたのはJazzとやるせない溜息だった・・・。
三日間の雨が終わるとき、彼らも、それぞれの哀しみをかみしめながら、また人生を歩み始める。
まるで雨もJazzも哀しみもなかったように。
全編を通じてけだるさが残る作品。
観ている側も・・・。
この映画のお勧め度:☆☆