角田光代 著 「八日目の蝉」を読みました。
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。
東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。
偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか・・・。
野々宮希和子は不倫相手の生後6か月になる赤ちゃんを連れ去り逃亡し、自分の娘”薫”として育て始める。
そして彼女は3年半もの間、逃亡生活を続けた。
誘拐された娘の”薫”は、理不尽な逃亡生活に付き合わされながらも、 あふれるほどの愛情をいっぱいに受けてまっすぐに育っていた。
しかし唐突に逃亡劇は終わってしまう。
希和子の逮捕と共に本当の親元へ帰され、今は大学生となった”秋山恵理菜”。
恵理菜もまた妻子ある男の子供を身ごもる・・・。
さまざまな事件や環境の中でも、必死に生きていくことの力強さ、人の営みの尊さを感じさせる一冊です。
「八日目の蝉」というタイトルがとても奥が深いのですが、その意味とは・・・。
第二回中央公論文芸賞受賞作。
河原れん 著 「瞬(またたき)」を読みました。
その記憶が、私に、光をくれた―。
同乗したバイクで事故に遭い、恋人を亡くした泉美はその時の記憶をどうしても思い出すことができない。
失われた「彼の最期」を取り戻すため、泉美は弁護士の真希子に、事故の調査を依頼する。
やがて明らかになる泉美の記憶。
それは、心を射抜くような苦しい真実であった・・・。
恋人を事故で失って自分だけ助かる。
トラックとバイク衝突事故。
何故?
大切な恋人の最後を思い出すこと、それが主人公の願い。
知らなくてもいい事実もあると、他の人は言ったりする。
精神の病を患いながらも事故の状況を徐々に思い出していく。
変わってほしくないものが変わってしまった現実を、主人公はその目で必死にとらえようとします。
事実を受け入れることへの葛藤が読んでいて痛い。
そして真実を知ったとき・・・。
一瞬で愛する人をまもれますか?
百田尚樹 著 「輝く夜」を読みました。
幸せな空気溢れるクリスマスイブ。
恵子は、7年間働いた会社からリストラされた。
さらに倒産の危機に瀕する弟になけなしの貯金まで渡してしまう。
「高望みなんてしない。平凡な幸せが欲しいだけなのに」。
それでも困っている人を放っておけない恵子は、一人の男性を助けようとするが―。
クリスマスイブに起こった5編の泣ける奇蹟。
百田作品は『永遠の0』、『ボックス!』に続いて3冊目です。
百田氏は”人に希望を与える小説を書きたい”と明言しておられます。
その言葉通り、どの話もその結末は「希望」に溢れています。
笑えるんだけど、ホッとできる話。
ちょっと胸にジーンとくる話。
あぁ、最後はこうなったんだ、良かったぁと思える話。
読めばきっと心が温まります。
首都圏でも計画停電が続いていますが、停電になるとまず必要となるのが懐中電灯です。
ところが肝心の乾電池が品切れでどこにも売っていません。
取り合えず本体の中に電池はあるけれども、この電池が切れたらどうしよう・・・。
そんな時に短時間ではありますが「切れかかった電池を復活させる方法」があるそうです。
その方法とは”乾電池をたたく”ことです。
”乾電池を両手に持ってその側面同士を勢いよく何度もぶつけ合う。”
乾電池の外側が多少変形する位でも良いそうです。
この方法で、ほとんどの場合、一時的ですが最大電圧付近まで復活します。
叩いて電池に振動を与える事で、中身の成分が動き未反応分の化学薬品が再び反応しはじめるため電圧が戻るものと思われます。
但し、あまり強く叩くと外容器が壊れて液が漏れだしたりしますので注意が必要です。
いざと云う時に試す価値はありそうですね。
「瞳の奥の秘密」
製作:2009年 スペイン=アルゼンチン作品
出演:リカルド・ダリン, ソレダ・ビジャミル
ブエノスアイレス―
刑事裁判所を引退したベンハミンは、忘れ難いある事件を題材に小説を書き始める。
それは、1974年に結婚間もない女性が殺害された残虐な事件だった。
妻を奪われた銀行員の夫の深い愛情に突き動かされたベンハミンは、判事の制止を振り切り、犯人を捜し始める。
そして、ようやく容疑者にたどり着くが…。
それから25年。
タイプライターを前に自身の人生を振り返るベンハミンに、上司だったイレーネの存在が鮮やかに甦る。
いまだ過去に生きる自分と決別するために、彼は事件の裏側に潜む謎と、今も変わらぬイレーネへの想いに向き合うことを決意する。
果たして、ベンハミンは失った歳月を取り戻すことが出来るだろうか?
25年前の過去と現在
凄惨な殺人ミステリーとそれぞれの愛の形
2つのストーリーがサスペンス調に、らせん状に絡み合う。
そして、ラストに待っているのは驚愕の結末!!
往年のハリウッド映画のような懐の深い極上のエンターテイメント作品です。
2010年度 アカデミー賞 最優秀外国語映画賞受賞作
この映画のお勧め度:☆☆☆☆☆
ご無沙汰しております。
久しぶりの更新です。
今回の震災で私が担当している建物でも人的被害はありませんでしたが、室内の壁や床にヒビが入ったり、天井ボードが一部落ちたりした建物があります。
先週は通常の年度末の仕事の忙しさに加えて、その建物の被害調査等の仕事も加わり、ブログを更新する暇もありませんでした。
調査の結果は幸いにも建物の構造に影響があるような大きな被害ではありませんでした。
皆様は大丈夫でしたでしょうか?
首都圏では地震直後から交通機関が乱れ、スーパーには物が無くなり、ガソリンも品薄状態、地域ごとの部分停電も続いています。
しかし被災地の方々の事を思うとそんな事は何と云う事ではありません。
福島原発事故の現場でも、放射線を浴びる恐怖と戦いながら命を掛けて対策に当たっている方々がいます。
今こそ、日本中が協力しあってこの難局を乗り越える時です。
まずは、一人、一人が思いやりと助け合いの精神を持って出来る事から始めましょう。
被災地の様子が徐々に明らかになってきました。
悲惨と云うほかに言葉がありません・・・。
残念ながら亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。
そして何よりも現在でも孤立した場所で救助を待っている方々がいます。
一刻も早い救助を願うとともに、一人でも多くの命が救われることを心よりお祈り致します。
各地で大きな被害をもたらした昨日の地震は本当にビックリしましたね。
こちらの写真は昨晩ようやく落ち着きを取り戻した渋谷の街の午後8:00の風景です。
真ん中が首都高速道路3号渋谷線。
普段は赤いテールランプの列が眩しいくらいの高速道路の上に車は一台も走っていません。
地震による影響で通行止めになったようです。
その代わりに写真右側、高速道路下の一般道が大渋滞しています。
そして、写真左側は渋谷駅へと急ぐ人々の波です。
しかし、この時刻に首都圏の電車は一本も動いておりませんでした。
電車がようやく少し動き出したのはこの3時間後です。
私鉄は動き出すのが早かったですが、JRは今日もまだ動いていないとか・・・。
JRさん もう少し頑張って!
永瀬 隼介 著 「閃光」を読みました。
玉川上水で男性の扼殺体が発見された。
捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。
滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。
その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた・・。
昭和43年12月10日。
雨の降りしきる府中刑務所前の路上で発生した 昭和最大のミステリー3億円強奪事件。
40数年という歳月が流れた現在、その閉じられたパンドラの箱にいま手が掛けられた。
現実の三億円事件を踏襲しつつ、多彩な登場人物を巧みに絡めてゆく骨太なストーリーは非常に説得力があります。
事件は何故に未解決に終わったのか?
全国民が注視するなか、警察組織はいかなる論理で動いていたのか?
本書に書かれた顛末が事実なのではないかと思わせるほど迫真に迫っており、警察ミステリーの面白さを存分に味わえる一冊です。
今日の渋谷は良い天気!
ただ、気温は低く寒い一日になりそうです。
空気が澄んでいて見晴らしも遠くまで良く見えます。
新宿副都心超高層ビル群から東京スカイツリー、六本木ヒルズ、東京タワー。
そして富士山も!
今話題の東京スカイツリーは自立式電波塔として、ついに世界一となりました!!!
工事の着工が2008年7月。 塔体が地上部に姿を現したのが2009年4月。
その構造には世界に誇る日本の最先端の技術と五重塔など古代建築のよさも活かされているそうです。
最終目標の634m(ムサシ)到達までもう少しですね。