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日高町 在日ベトナム人モニターツアー コロナ後も見据えSNSで誘客 〈2021年11月11日〉

2021年11月11日 08時30分00秒 | 記事


黒竹民芸品を作るツアー参加者


 日高町を主にした在日ベトナム人のモニターツアーで6日、16人が和食を楽しんだり、黒竹民芸品作りに挑戦するなどした。商工会を主体とした町観光推進戦略プロジェクト協議会(会長・松本秀司町長)の海外観光客誘致事業で、コロナ禍のため1年11カ月ぶりのベトナム関係のツアー。今回の体験をSNSで発信してもらい、近親者に日高町など県内の観光を勧めることで、コロナ後も見据えた着実な誘客につなげる。

 ベトナムの観光客誘致への取り組みは平成28年9月から、商工会や民宿組合などで町海外観光客誘致委員会を設けて独自にスタート。29年度から地方創生事業として同協議会を設立し、ベトナムでのプロモーションなど展開。初年度は23人、30年度は58人と増加、令和元年度は171人と大幅に増え、同事業累計252人となった。
 好調に推移していたが、令和2年からの新型コロナウイルス感染拡大で、緊急事態宣言が出されるなど観光業に大きなダメージ。同誘客事業も進めづらい状況が続いたが、感染が一段落したことで、町商工会と大手旅行会社の(株)HIS訪日旅行営業本部の関西チームが連携して日帰りツアーを企画。依然、海外との往来の難しさから、在日ベトナム人に注目し、SNS発信が期待できる若年層をターゲットにすることで友人や家族ら近親者にPRできるメリットを生かそうと、同社SNSを活用し、留学生を主に呼びかけて応募した。
 この日のツアーには10代から40代までだが、SNSをよく使う20代や30代が多い16人が参加。大阪を出発して県内を巡るルートで和歌山城などを観光した後、日高町へ。町営温泉館「海の里」みちしおの湯隣接の食堂「みちしお亭」で刺身や天ぷらなどの和食弁当を堪能した後、クエの町・日高町の象徴であるクエのモニュメント前で記念撮影。全国一の黒竹生産地の原谷で菱形花入れの黒竹民芸品作りを体験した。
 日本に留学して4年になる神戸国際大学3年のレ・ティ・ホアンさん(24)は「日高町のきれいな自然や、ここで漁獲できる魚を使った和食の魅力、体験を知ることができた。大学で観光業を学んでいることからも良かったし、何より楽しかった。周りに伝え、また来たい」と感動。
 今回のツアー中に撮影したクエのモニュメントや作った黒竹民芸品などの写真を早速個人でフェイスブックにアップされており、HISでもSNS発信して日高町の魅力をPR。同チームによると、県内観光で和歌山市から熊野古道や白浜などの紀南観光地へ向かう途中のスポットとして日高町の立地条件が良く、そこで体験できるメニューを増やしておくことで、誘客の可能性が高まるという。
 同本部関西チームの田中美帆チームリーダーは「ベトナム人など東南アジアではフェイスブックなどSNSを活用することが多く、口コミは大きい。家族や友人は来訪のケースが多く、留学生に発信してもらうことで身近な人たちにPRできる」と話した。


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