市民らがキャストを務めて御坊弁を交えた笑劇「病は気から」
大迫力のプロジェクションマッピング「美し浜のものがたり」
心をこめて揮毫する金澤翔子さん
第36回国民文化祭・わかやま21(第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)が佳境を迎え、6日と7日には管内3市町村でもイベントや講演会の地域文化発信事業が行われた。御坊市では劇団「RAKUYU」が中心となり市民らがキャストを務めた笑劇「病は気から」の公演、美浜町はプロジェクションマッピングで煙樹ケ浜の浜辺に音楽に合わせた迫力ある映像を投影、日高川町ではダウン症の書家・金澤翔子さんの席上揮毫と母・泰子さんの講演が感動を呼んだ。
市民と一緒に創る笑劇「病は気から」 7日に御坊市民文化会館大ホールで上演。日高地方から募集した子どもから高齢者までのスタッフ24人とキャストが、17世紀フランスを代表する劇作家モリエールの作品「病は気から」を演じた。
病気だと思い込み、薬を大量に服用する金持ちの主人と年頃の娘2人、後妻の一家に家政婦と主人の実弟、医者なども加わり、主人の薬中毒や娘の結婚話などを解決していくストーリーを和歌山・御坊風にアレンジして楽しく繰り広げた。
欧州風の名前や衣裳には不似合いな「あらくたい」「がいたらくなもんよ」という、主人が発する御坊弁のせりふに会場から笑いが漏れ、景の間には「くすり」「恋」「一度きりの人生」のイメージを表現した曲に合わせて市民たちがダンスパフォーマンスを軽快に披露した。
美し浜のものがたり 美浜町は6日、煙樹海岸キャンプ場多目的広場前の浜で、プロジェクションマッピングを開催。子どもたちが描いた海の生き物のイラストを映像化し、音楽に合わせて浜辺に投影する大迫力のパフォーマンスで、地域の家族連れらの目を釘付けにした。
2回に分けて上映。初回前に籔内美和子町長があいさつした。
辺りの照明が消えると、浜のスクリーンで上映開始。カウントダウンを合図に気持ちが高揚するオープニングが流れ、幾何学模様のスタイリッシュな場面、子どもたちが描いたイラストが海を泳ぐ場面、イルカやウミガメ、クラゲ、サメなど海の生き物が躍動する場面などが次々と映し出されて、大きな感動を呼んだ。
深見祐衣ちゃん(3)は「お魚、めっちゃきれいだった」。母・史織さんは「子どもは食い入って見ていました。コロナ禍でどこにも連れていってあげられなかったのでいい思い出になりました」と話していた。
心に光を 日高川町は7日、日高川交流センターでダウン症の書家・金澤翔子さんの席上揮毫と母・泰子さんの講演会「心に光を」を開催。翔子さんの心こもった書と愛情あふれる泰子さんの言葉に表れた母子の固い絆は、満席の会場に感動を与えた。
はじめに翔子さんが揮毫。一筆一筆を大切に「飛翔」と書き、最後、落款をおす前には印を高らかに掲げてみせた。
泰子さんは、翔子さんとのこれまでの歩みを講演。「闇も光も同時に起こる。闇が深ければそれだけ、差し込む光は明るい。この世はすべてよし、肯定されている。人生、なにが待ち受けているかわからないが、生きてさえいれば絶望はない」などと述べた。
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