紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

令和3年秋 褒章受章者決まる 藍綬に石橋理代(人権擁護委員)久保井利達(保護司)さん 〈2021年11月4日〉

2021年11月03日 08時30分00秒 | 記事

 令和3年秋の褒章受章者が決まった。日高地方から藍綬褒章に人権擁護功績で印南町印南601の1、人権擁護委員の石橋理代さん(68)、更生保護功績で同町西ノ地808、保護司の久保井利達さん(70)が選ばれた。いずれもその道一筋の功績が認められた。県下から黄綬2人、藍綬3人が受章。拝謁はコロナ感染予防で実施しない。伝達式は検討中(2面に関連)。


人権擁護委員21年目

石橋理代さん

 平成13年3月から人権擁護委員となり現在7期目(21年目)、御坊人権擁護委員協議会事務局長を務める。同16年6月に県子どもの人権専門委員、同19年から令和2年3月まで御坊協議会・子ども人権委員長を務めた。
 子どもが住みやすい社会をテーマに、平成17年から印南町など管内の幼保、小中学校で人権教室に携わる。幼保は「みんななかよし人権教室」、小学校は「いじめをなくそう人権教室」、中学校ではいじめ防止に関するワークショップを行い、子どもたちの目線にたち一緒に人権について勉強する姿勢を貫く。
 教室で学んだことを家庭で話し合い、人権について考える意識を高めたいとの願いもあり、手遊びやワークショップ、分かりやすい資料を作るなど、深刻に捉えがちな人権を気軽に考えられるよう工夫を凝らす。
 3年ほど前から携帯会社と連携して小中学校対象のスマホ・携帯人権教室に関わり、SOSミニレターにも返信するなど子どもたちの悩みに寄り添う活動を続ける。御坊協議会事務局長としては、コロナ禍で人と会えない状況の中、事務局だよりに力を入れ委員に向け様々な情報を発信している。
 幸せになるコツは(1)感謝(2)努力(3)謙虚(4)周りの人と共に生きる-と考え、子どもの年齢に応じた発達段階を理解した上で活動に取り組み、友人と人権をテーマにした絵本制作にも取り組む。不可能を可能に近づける「最近接領域」を目指し人権啓発活動を展開している。法務大臣表彰、全国人権擁護委員連合会長賞、近畿同賞など受賞。
 石橋さんの話 委員の皆さんと一緒に人権教育を一つの形に仕上げてこられたのが大きな喜びです。


保護司で35年6カ月

久保井利達さん

 久保井さんは昭和61年5月に法務大臣から委嘱され、以来35年6カ月間にわたり、罪を犯した人の更正や再犯防止に尽力した。
 ここ数年は委嘱期間が支部の中で最長で、平成30年から日高保護司会副会長、同31年に地域の保護司の活動拠点として設立された「更生保護サポートセンター日高」のセンター長を同年から務め、保護司の活動支援や広報活動などに取り組んでいる。
 担当した対象者は16歳から60代までと幅広い。今は退職しているが、和高専教員の時代から、基本的に仕事終わりや休日で月2回以上の往訪、来訪に対応。「どの対象者も自分の子ども」と考え、日常生活や仕事などについて親身になって話を聞き、立ち直りをサポートしてきた。忙しいときは電話対応の場合もあるが、できるだけ直接出会い、表情で変化がないかを確認するなどし、保護司の考えや態度を敏感に察知するため、心を開いてもらい、自発的にしゃべってもらえるように、心がけている。
 普通は保護観察期間を短くするために努力するが、「先生に見てもらったら良くなった。期間一杯まできちんと見てもらいたい」と言われることもあり、対象者や引受人と信頼関係を築くことができたときに一番やりがいを感じ、社会復帰を果たした人から「先生、元気にやっているか」と声をかけてくれるのが嬉しいという。
 保護司を始めた頃は対象者と年齢が近く、気軽に対応できたが、近年は年齢差が気になっているが、保護司の定年を迎える78歳まで更正、非行、犯罪防止に尽くす考えだ。
 久保井さんの話 周りの皆様のご支援、家族の理解のおかげで章をいただけたと思い、感謝しています。


 その他の主なニュース

 小林樹斗投手(広島)初先発

 10月31日 御坊日高博覧会に10人参加

 吉田氏(ヨシダエルシス)に財務相表彰伝達

 2日 令和3年度御坊市文化賞表彰式挙行