紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市 条例施行1年間で1億円徴収(負担金)  最終処分場搬入抑制に「一定効果」  〈2021年11月7日〉

2021年11月07日 08時30分00秒 | 記事


リサイクルが困難な廃棄物を埋め立てている最終処分場


 御坊市が、令和2年10月から県下初で全国でも珍しい「最終処分場埋立物負担金条例」を制定後、1年が経過した。条例は市内にある県下最大規模の民間事業者最終処分場への埋立物の搬入スピードを抑制し、自然環境保全や環境負荷低減につなげることを目的に事業者から1トン当たり1000円の環境保全負担金を徴収するもので、1年間で1億円が納付された。当初想定より搬入量が減っており、環境衛生課は「搬入スピードの抑制に一定の効果があった」と見ている。
 
 市は総合計画の基本指針のひとつに「豊かな自然環境を守り育て、次代に引き継ぐ環境づくり」の推進を掲げ、廃棄物の適正処理や再生利用による減量化など環境低負荷型社会の実現をめざしている中、大栄環境(株)が平成29年3月から森岡地内で御坊リサイクルセンター(管理型最終処分場・中間処理施設)を稼動。
 最終処分場の埋立容量は137万5441立方メートルあり、15年程度で満杯になる計画だったが、京奈和道路関連工事に伴う産廃土、災害廃棄物の搬入等が続いたため、すでに約6割が埋まり、あと4年程度で満杯になる見通しで、3~4年後をメドに第2期処分場計画が進められている。
 最終処分場の許認可権は県にあるため、環境衛生課は「次々と最終処分場が建設されれば市民が不安になり、環境負荷も高まる」とし、少しでも埋立物の搬入スピードを抑制するとともに将来の処分場増設を視野に入れ、県の許認可を得て市内に所在する最終処分場で埋め立て処理を行った民間事業者から負担金を徴収する条例をつくり、昨年10月から施行した。
 条例に定めた負担金は一般廃棄物(主に災害廃棄物)産業廃棄物を問わず、最終処分場に埋め立てられる埋立物1トン当たり1000円(災害廃棄物は2分の1の500円)。施行時点の最終処分場空き容量は約65万立方メートル。トン換算にすると約45万トンで、負担金総額は4億5000万円。このうち、施行後、9月までの1年間で1億127万2000円が市に納付された。
 搬入量実績は平成30年度14万2000トン、令和元年度19万2000トン、2年度16万トン、3年度4~9月で5万123トン。元年度をピークに減少し、負担金も今年度当初予算に計上した1億2000万円を下回る見通し。コロナ禍で事業活動が縮小されたなど要因が考えられるが、市環境衛生課は「施行後、搬入量は減っており、搬入スピードは抑制できている。一定の効果があったのではないか。引き続き良好な環境保全を図り、循環型社会の構築をめざしたい」とした。
 負担金総額は条例の単価を変えない限り4億5000万円と上限が決まっており、それに何年要するかは搬入スピードによるため、年数がかかればそれだけスピードを抑制できたことになる。負担金は市の新たな収入源として環境保全推進に関する事業(ごみ処理費、公害対策費)に充てている。計画中の第2期処分場が現処分場と同規模なら負担金総額は約9億5000万円で、現処分場と併せれば14億円の収入となる。


 その他の主なニュース

 日高川町小中学校統合含む適正検討委員会発足

美浜町 地震津波初初動避難訓練実施

 6日 トレイナート号ラストラン

第53回私たちのくふう展 元中瑠珂さん(湯川小)の作品が全日本へ