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完成した印南避難センターを印南小児童が見学 〈2016年1月28日〉

2016年01月28日 08時30分00秒 | 記事

日裏町長から話を聞きながら食糧の備蓄倉庫を見学する児童


 印南町の印南避難センターが完成したのに合わせ26日、建設地を避難場所に指定している印南小学校(平尾潔司校長)の3、4年生72人が見学に訪れた。避難してきても一時的に雨などがしのげる施設がなかったことから、避難する住民や児童の一次避難施設として建設した。見学した児童らは「寒い日や雨の日に逃げてきても大丈夫」と安心の表情だった。

 印南避難センターは、近い将来起こるとされる南海トラフ巨大地震による津波対策として印南地区の浜区や地方区の津波避難場所となっている海抜約27メートルにある町有地の上野山農村公園(敷地面積829平方メートル)に約8000万円をかけて鉄骨2階建てで建設。上野山は印南小学校も避難場所に指定し避難する訓練を定期的に取り組んでおり、防災学習の一環で3、4年生が完成したばかりの施設を見学した。
 児童は、平尾校長から「寒い日だったら、雨が降っていたらと心配していたがこれで安心。学校に居てる時やこの近くで遊んでいる時に地震が起こったらここをめざして逃げて来るように。『自分の命は自分で守る』という思いで今日はしっかり見学して下さい」、町職員から「停電しても非常用電源を備えており大丈夫です」など説明を聞いたあと施設内を見て回った。
 一次避難施設として食糧や水も備蓄しており、備蓄倉庫で「2000人の3日分の食糧を置いています」と児童に説明するなどした日裏町長は「学校近くから上野山へ向かう地方区避難道として階段の設置に続いて避難施設もできました。安心して勉強や運動をして下さい」と児童に呼びかけた。見学した周家大樹君(4年)は「これまでは冬だったら寒いし、雨の日だったらどうしようかなと思っていたが印南避難センターができて安心」と話した。
 施設の完成は学校関係者だけでなく、小学生の孫がいる地元の女性も「避難しても寒さや雨などしのげるところがなく心配だったので本当によかった」と地元民らも喜んでいる。
 印南避難センターは、1階が22畳の避難スペースや食糧備蓄や防災資機材の倉庫、炊事場、2階は休憩できる和室(18畳、10畳、10畳、8畳)4室や授乳室となっており、災害時に活用できるマンホールトイレを設けているほか、かまどとして使えるベンチも設置する予定。


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