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紀南電設(御坊市)がミャンマーで発電設備引き渡し式 〈2016年1月7日〉

2016年01月07日 08時30分00秒 | 記事

ウー副大臣に目録を渡す林代表取締役(左)

テープカット、風船を飛ばし供用祝う


 紀南電設(株)=林惠一代表取締役、御坊市湯川町小松原=が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)」で実施している「ミャンマー連邦共和国ヤンゴン管区内における無電化地域の電化と技術移転事業」の太陽光発電システムと関連機器の引き渡し式典が昨年末に行われた。2つの無電化村の若者を技術指導・育成し、2村あわせて約350世帯に太陽光パネルとLED照明を設置して電化する取り組みで、全世帯への設置を終え、式典に併せて供用を開始し「希望の光」に村挙げて待望の電化を喜んだ。

 紀南電設は平成24年からミャンマー地域開発局等と無電化地域の現状などの意見交換を続け、無電化地域で電化を熱望する住民との話し合いなどを行い、同国内の電気技術発展のため、25年6月にヤンゴン市内にコンサル業務を担当する支店を開設し、2人を地元雇用するなど地域密着の取り組みを続け、県と同社がJICAに同事業を提案し、同年12月に同社を事業実施団体に事業採択された。
 ヤンゴン市内から車と川船で約3時間かかるヤンゴン管区内郊外にあるミーライ村(290世帯)とアタヤゥン村(55世帯)のあわせて345世帯すべてに1世帯当たり日本メーカー製のソーラーパネル1枚(1メートル×1・4メートル、115ワット相当)、大洋化学(株)製造の直管型LED照明2本(1本11ワット)、LED電球1個(8ワット)を設置。パネルは家の屋根に備え付けたり、竹で造った支柱に備え付けるなどし、発電した電気はバッテリーに蓄電して夜間に使用できるようにした。
 維持管理のメンテナンスなどにあたる住民指導役の若者5人を選び、電気事業者2社、政府関係者の計10人を昨年7月に日本に招き、同社で太陽光発電システムの知識や設置手法、設置工事、メンテナンスなど必要な技術を指導。9月から若者5人を中心に設備設置工事を始め、12月下旬までに全世帯への設置を終え、21日にミーライ村で引き渡し式、テープカットを行い、村民総出で供用開始を祝った。式典の様子は国営テレビでも放映された。
 式典には林代表取締役、中澤慶一郎JICAヤンゴン事務所長、津井宏之県国際担当参事らが出席。林代表取締役がウー・ティン・グェ畜水産地方開発省副大臣に目録を手渡し、ウー副大臣が林代表取締役と中澤所長に感謝状を贈り「長年の住民の夢である電気の利用が実現できました。必要な電力の支援を下さった日本政府、国民と紀南電設(株)に住民の代表としてお礼申し上げます。日本とミャンマーの交流を深めるため、両国の協力をさらに進めたい」と謝辞を述べた。
 林代表取締役は「事業の目標は電化を通じて住民の皆さんが必要とされる太陽光発電施設の知識や技術を習得してもらうことにあり、日本で研修を受けた若い人を中心に皆さんに技術移転できるよう更に頑張っていきたい。設備を末永く使い、明るい希望の光を灯し続けて頂きたい。機会があれば他の村でも進めていければ有り難い」、中澤所長は「本日はゴールではなく、スタート。他の村のモデル事業となり、両村の名前がミャンマー全国に響き渡ればこれ以上喜ばしいことはない」と話した。
 今後は設備の点検・手直し、月1回のメンテナンスなど続け、12月ごろに事業が完了する。JICAからの事業支援額は約3000万円。ミャンマーでは都市部等の大電力消費地は大規模発電施設設置で電化対策を推進しているが、この対象とならない無電化地域は国全体に点在し、電化対策が大きな課題。今回の取り組みは電化対策のモデル事業として注目され、両国の友好親善、国際貢献につながるものと期待される。


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