紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

津波の日制定記念会で二階会長が教育や訓練充実、啓発普及へ決意 〈2016年1月19日〉

2016年01月19日 08時30分00秒 | 記事

津波防災へ決意を示す二階会長


 二階俊博自民党総務会長(76)=御坊市島、当選11回、志帥会(二階派)会長=の提案で11月5日の「津波防災の日」が「世界津波の日」に制定する決議が昨年末の国連総会で全会一致で採択されたのを受け、16日に広川町民体育館で「世界津波の日制定記念の会」が開かれ、インドネシア関係者や国、県、市町村関係者、地域住民ら約1200人が参加。二階会長は「和歌山は防災関係の聖地だ。その責任は重大」と防災教育や訓練、啓発普及活動の先頭に立つよう奮起を促した。

 記念の会は1845年11月5日の安政南海地震で大津波から村民の命を守った浜口梧陵の「稲むらの火」の逸話で有名な広川町で開き、2004年の津波で約22万人の犠牲者を出したインドネシアのユスロン・イザ・マヘンドラ駐日大使、バンダアチェ市のトミー・ムリア・ハサン・アチェ津波博物館長をはじめ、来賓の福井照・自民党国土強靱化総合調査会事務総長、浮島とも子・公明党女性委員会副委員長、水越英明外務省地球規模課題参事官、仁坂吉伸知事、県内市町村長、県議らが出席した。
 二階会長は世界津波の日制定に向けてインドネシアから全面協力を得たことなどを紹介しながら「津波に手も足も出ない状況をいつまでも続けていて政治になるのかという思いが強い。津波から一人でも多くの命を守るため、地球規模で津波と対決し、災害に立ち向かわなければいけない。津波に対しては高いところへ逃げるしか方法がなく、それをいかに徹底させるかが我々の使命。日ごろからあらゆる訓練を行い、知識や情報を共有しておくこと、子どもにしっかりと防災教育を行うことが大事。和歌山県、広川町は津波関連の聖地だ。その責任は重大であり、和歌山から世界に発信しよう」と率先して取り組むよう奮起を促した。
 特別講演でトミー館長が津波被害の概要や博物館の目的などを紹介しながら「アチェでも浜口梧陵の話を広めていきたい。日ごろの防災教育がリスクを低くする。このことを共有すれば多くの命、生活が助かる。これからも日本との友情を大切にしていきたい」と話し、ユスロン大使も「2004年の津波では経験、知識がないから多くの命が奪われた。津波の日制定は世界の人々にとって非常に意味が大きい。将来に向けて日本との関係をより強化したい」とあいさつした。
 福井事務総長は11月5日に世界同時に避難訓練を行うなど今後の取り組み方針を説明し「二階ポリシーで一人の犠牲者も出さないようにしよう」と訴えたほか、浮島代議士は「防災教育をしっかり行うことが大切」、水越参事官は「今日からが活動の第一歩だ」、仁坂知事は「稲むらの火が津波防災の世界の聖地となった。和歌山にとってまたひとつ素晴らしい誇りができた。一人の犠牲者も出さないように努力を積み重ねることが大事」と述べた。


提携協定 日本コーナー設置も
アチェ博物館と稲むらの火の館

協定書を持つ西岡町長とトミー館長

 記念の会に先立ち、稲むらの火の館で、アチェ博物館との「提携に関する協定」の調印式を行い、西岡利記広川町長とトミー館長が署名捺印したほか、博物館で展示するパネルなどの贈呈、植樹も行った。
 二階会長が11月のインドネシア訪問で津波博物館を訪れた際、締結で合意。二階会長が「これをきっかけに共に自然災害に立ち向かう決意を固めよう」とあいさつ。西岡町長は「今後情報交換など連携を密にしていきたい」、トミー館長は「協定を期に博物館の整備、防災教育の強化などに取り組みたい。日本コーナーを設けることを約束します」と述べた。
 協定では「世界の人々が津波で命を落とすことがないよう津波の脅威と対策について国際社会の理解と関心を深め、津波防災意識を高めるために、津波に関する歴史や文化、防災教育等に関する情報を相互に紹介する」などを盛り込んでいる。


その他の主なニュース

 23、24日 美浜町特産品をJR東京駅前アンテナショップ「わかやま紀州館いこら」でPR

 第37回日高郡市ジュニアバレーボール大会で印南はまゆうが11年ぶり優勝

 第52回日高地方駅伝で御坊市2連覇、11回目優勝

 第49回紀南中学新人駅伝で大成女子3位、松洋男子4位