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御坊市藤井グラウンド被害5000万円(概算)災害復旧で対応 〈2015年8月9日〉

2015年08月10日 08時30分00秒 | 記事

被害を受け閉鎖中の藤井多目的グラウンド


 御坊市は、7月の台風11号による日高川増水で浸水被害を受けた日高川ふれあい水辺公園・藤井多目的グラウンドについて、今回も市の財政負担がほぼいらない国の災害復旧事業を活用して原形復旧する方針を固めた。平成23年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けて以降、大きな被害を受けたのは3回目。税金の無駄遣いとの指摘もあるが、市は「水辺公園は景観美化、市民の健康増進に加え、防災上も重要な施設」とし、9月議会に補正予算を計上する方針。少年野球やグラウンドゴルフなど年間1万5千人~1万8千人が利用している。

 水辺公園は全体で約22ヘクタール(供用分)あり、左岸にオートキャンプ場、ゲートボール場、せせらぎ公園、芝生広場、ゴルフ場、駐車場。右岸に多目的グラウンド、サブグラウンド、駐車場などを整備。平成9年の供用開始以降、目立った浸水被害はなかったが、23年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受け、国の災害復旧事業を活用して総事業費約3億5000万円をかけて25年3月に完全復旧。
 その1年半後の26年8月の台風でグラウンドやゴルフ場が冠水し、グラウンドは約2000万円かけて原形復旧し、今年4月に再開したばかり。今回の台風では毎秒1000トンを超える椿山ダムからの放流に加え、ダム下流域での大雨が重なり、多目的グラウンド、サブグラウンド、駐車場などがすべて冠水。ゴルフ場も8割方が冠水する被害を受けた。
 ゴルフ場は職員の手作業で復旧し、すでに再開しているが、グラウンドは閉鎖したまま。転倒式フェンスには流木などごみが大量に付着していたため、折れ曲がったものも多いほか、川側のフェンスは基礎がえぐり取られたものもあった。昨年の台風被害後に入れた真砂土は3分の2程度が流され、その上に川砂が堆積しており、被害額は昨年を上回る5000万円程度(概算)と見ている。
 ここ数年は毎年のように浸水被害が出ていることから真砂土の投入量を減らすなど整備水準を落とす方策も検討したが、市の単独事業は費用がかかるため、これまで通り市の財政負担がほぼいらない災害復旧事業を活用して原形復旧するのが得策と判断した。県に対しては引き続き(1)椿山ダムの操作規定見直し(2)低水護岸前へのブロック設置(3)日高川の堆積土砂しゅんせつ-を強く求める考え。
 9月議会に補正予算計上する方針で調整を進めているが、今後、国の査定もあり、被害額が5000万円を下回る可能性があるため、確定までには時間がかかりそう。復旧工事は台風シーズンの終わった秋以降、再開は来春になる見通し。市議会からは「市の財政負担がほぼいらないと言っても国の税金を使えば一緒。浸水するところになぜ税金を使うのか」との指摘も出ており、9月議会の争点の一つになるとみられる。


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