太陽光発電システムなどを導入し、被災時に自然エネルギーを
フルに活用(写真は健康福祉センター)
日高川町は、災害に強い自立分散型エネルギーシステムの構築を目指す県の「地域グリーンニューディール基金事業」を活用し、地域防災計画で避難所に指定している拠点施設への太陽光発電などの充実を進めている。すでに日高川交流センターに太陽光発電、3カ所の温泉施設には木質燃料を利用する薪ストーブを導入しており、今年度補正予算には、新たに美山の保健福祉センターに太陽光発電施設の設置費を予算化。防災拠点となる役場本庁にも同施設の整備を進めており、自然エネルギーを活用した被災時の対策が進む。
日高川町では、4年前の平成23年9月に発生した台風12号による日高川大水害時、町内全域の避難施設では停電などの影響を受けたケースが多かったため、蓄電設備を整えた太陽光などの自然エネルギー施設を導入し、被災時に生かす取り組みが進められている。導入しているのは、避難所の施設屋上に設置する太陽光発電施設と、地元で搬出されるスギやヒノキなどの間伐材を活用した「薪ストーブ」。今回の補正予算で、太陽光発電施設の設置費約3700万円を計上している健康福祉センターは、4年前の災害時に大きな被害が出た美山地区中心地の避難所で、町内9カ所の福祉避難所にも指定され、診療所も併設されている。
同センターは、重油による自家発電を備えているが、被災時などの長期の停電に備えて、日高川交流センターと同様の太陽光施設を整備する計画。4年前の災害時に携帯電話の臨時中継基地や給水所、トイレなどに利用された交流センターには、太陽光発電設備(10キロワット)とLED照明(200ワット)3基を導入。年間約1万キロワットの発電量を見込む太陽電池パネル42枚を設置しているほか、リチウムイオン蓄電システム(15キロワット)1基を備えて被災時などの停電に必要な電力を確保。通常時のコスト削減にも繋げている。
薪ストーブは「美山温泉愛徳荘」を皮切りに、「きのくに中津荘」と「中津温泉あやめの湯鳴滝」「美山療養温泉館」にも導入。地元で搬出されるスギやヒノキなどの間伐材を活用し、停電などが発生した場合には施設に明かりを灯すだけでなく、冬場などには暖房としても利用可能。ストーブ天井部のプレートでは停電時でも調理ができるなど災害時に様々な用途に活用できる。
同町では、小学校2校に太陽光発電システムを導入したのをはじめ、避難所と福祉避難所に指定している和佐の「かわべテニス公園」宿泊棟にも導入。4年前の災害を教訓に、自然エネルギーを活用した避難施設の備えを充実させている。
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