kotoba日記                     小久保圭介

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言葉から意味が消える幸福

2020年02月16日 | 生活


午後から
あがる

終日
強い雨マークだったから
助かった
それほど
寒くないし

小屋は
フィリピンから来た若者たちで
満員で
朝から
小さなお弁当を食べている
シシャモが入っていた

「うるさくてすみません」
と日本の人に言われたけれど
「いやいやぜんぜん。元気でいいです」
と答えた

実際
彼ら
10人くらいは
おのおの
スマホを見たり
日本語のニュースを見たり
何か食べたり
寝たり

そして彼らが話す外国語(タガログ語?)は
さっぱりわからず
それを10人分聞いていると
まるで
音楽のよう
少なくとも
わたしにとっては
音である

言葉の意味が
わからないという
極めて
幸福な時間の中で
小雨になってきた
雨空を
窓から見ていた

田村隆一のあまりにも有名な詩句
「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」
のいわんとすることや
古い題だけれど
文券癜]家の柄谷行人著
「意味という病」
という表題を思い出してもいた

言葉から意味が消滅する時
意味からわたしたちは逃れられる

言葉から意味が消えると
それは音になり
音楽になる

その美しさは
耳でとらえ
脳でここちよさを感知する

以前
沖縄の人たちと一緒にいた時も
そう
沖縄の言葉もまったくわからず
わたしは音楽を聞くようにして
昼寝していた

言葉なんかおぼえるんじゃなかった

言葉がなかったら
人を傷つけることもないし
人から傷つけられることもない
残るのは
笑顔を交わすことと
体を合わせること
これほど
幸福な言語が
他にあるだろうか

ない






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