kotoba日記                     小久保圭介

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亀を見る

2016年08月13日 | 生活
あの人は
改札まで
迎えにきてくれていた

「どうもお久しぶり。執筆の方はどうですか」
なんてことをニコニコして言う

あの人は花を持って
袋を持って

お持ちします
とわたしの分の花を受け取る

バス停まで歩き
暑い夏の午前
バスを待つ間
何かを話し

バスが来て
バスに乗り
バスを降りる

橋を渡る
墓地について
お盆なので
墓参り

あの人と
わたしの先祖の墓地は
偶然同じ場所で
あの人と
こんなふうに
墓を参るもの
不思議のからくり

あの人は
わたしの先祖の墓を磨き
さすがに雑巾を受け取り
花と線香とろうそくを
手向けていただいた

ちょっと離れた
行ったことのない
コーヒー屋で
まだモーニングセットがあるので
それを頼んで
アイスコーヒー

富士山の頂上まで
のぼってみたい
とあの人は言う

橋を渡る時
川面を見る
亀がいる
それを見る
まるで
二人の子供は
亀を見る
橋から
身を乗り出して

こんなふうにするのも
何かの因果

バスに乗り
それから
車庫へダッシュして
電話番号を聞き
本屋に入り
外へ出ると
日差しが強いので
木陰に入る

あの人は
自転車で
車庫に向かった

地下鉄駅の交差点
コンビニの中の
カウンターで
コーヒーを飲んで
待っていた

それから
お寿司をごちそうになって

なんて
面白い
お墓参りだこと

陽光
ありがたく

あの人は
「じゃあどうも」
なんて言う
いったい
何世代
「じゃあどうも」
って
言ってきたんだろう

そんな因果
また
この世でも
ありがたい

コメント
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