千の天使がバスケットボールする

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NHK音楽祭2010

2010-11-25 22:41:13 | Classic
NHKホールはいろいろな意味で遠い。ところが、そのNHKホールで開かれてコストパフォーマンスで優れものが「NHK2010音楽祭」である。チケット代のことから入るのは少々下世話なのだが、この内容でこのお値段、、、というのもやはりNHKホールだからなのか。
今年8回目を迎える音楽祭は、ドイツ音楽「三大B」という王道のテーマで開催された。(余談だが、同じくドイツ生まれのメンデルスゾーンもとても良い曲を残しているのに、御三家とくくられるとどうしても入らない不運がある。)

ステージ前方には、ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートを連想させられるように華やかに花々が並ぶ。しかし、そこは(しつこいが)NHKホールなので、やはりださめで地味め。そこに登場したのが、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 と指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ。思ったよりも小編成のオケなのだが、音響の悪さを感じさせないくらい迫力があり、ドイツ人の体格のように厚みのある音楽が朗々と鳴り響く。

更に堂々たる体格の今夜の真打、ジャニーヌ・ヤンセンが登場。彼女はオランダでは大人気のスターだそうだが、なるほど、女優のように美しく背も高いのに10センチぐらいのハイヒールをはいてやってきた。姿勢もよく舞台中央に立つと、その貫禄だけでも聴衆を魅了する。彼女が使用している1727年製ストラディヴァリウス「バーレル」が奏でる音楽は、シャープで現代的な演奏というよりも、その音の輝きがからみつくようなぬめりを感じる。まるで若い女王のように圧倒されるようなスケール感がある。しかし、ブラームスも素晴らしかったが、むしろチャイコフスキーの協奏曲の方が彼女の持ち味がいきるのではないだろうか。それにしても日本とは違うヨーロッパ大陸の音楽である。

-------------------11月25日 NHK音楽祭 -----------------------------

出演者: ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ジャニーヌ・ヤンセン(バイオリン)
曲目: ベートーベン:「プロメテウスの創造物」序曲
ブラームス:バイオリン協奏曲 ニ長調
ベートーベン:交響曲 第5番 ハ短調 「運命」


12月24日NHK教育テレビで午後11時から「NHK音楽祭ハイライト」が放映予定です