旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

九十九里で見つけた「寿司屋の版木壁」、ぽつんと立つお堂に鎌倉時代の大きな四天王像。

2020-03-23 12:00:58 | 国内
連れて行ってもらった寿司屋のカウンターに目が吸い寄せられた↓

神棚の下横一列に版木が飾っている。
コマ割りで何か物語が画かれている様子だが内容は分からない。

垂木の様な天井の装飾と柔らかい光が木彫りを暖かく感じさせてくれる。
ここのご主人が地元に住む作家さんにお願いした特注品だという。
お店には他の版木も見せてくださった↓これはいったいどんなシーンを画いているのだろう?

「地元の民話だそうですよ」
ご主人も詳しいお話は知らないそうな。
作家の方は今も犬吠埼の近くにお住まいで現役。
今年五月には奈良の東大寺で展示会も開催される。
ううむ、一度お会いしてみたい(^.^)
**
寿司屋のご主人に「鎌倉時代の四天王がありますよ」とおしえられた。
予約していかないと開帳してもらえないお堂にあるとのこと。
ダメ元で訪れた、浜から遠くない田んぼの中にぽつんとあるお堂↓

となりの社務所の扉をたたくと、幸い開けてくださる方があった。
昨年の二度の台風で傾いてしまったというお堂の扉が開くと、おお、いきなり四天王の筋肉もりもりの肩が見えた↓
↓しばらく正面に座って解説していただくと、
↓七百年以上も現代に生き延びてきた幸運をおもった↓

鎌倉時代、慶派のつくったものだとひと目でわかる作風。
細部を漆で補修してある部分はあるが堂々たる体躯は圧倒的。
中央の本尊は何度も修復された跡が見える。
弘法大師が大陸からもたらしたというさらに古いご本尊は実はもっと小さなもので、今は近くの檀家さんの家に祀られているのだそうだ。

境内に立つ大きな地蔵象は、シャルトルやブールジェで見たロマネスク彫刻を思い出させる↓
※こちらにブールジェ大聖堂の写真を載せています



「こんなものがあるなんて知りませんでした」
今回の訪問で車を運転してくれた元旅行業の友人も、このお堂の存在などまったく知らなかったという。

有名観光地をとびまわっても充実した旅にはならない。
知られていなくても美しいモノはたくさんある。
重要なのはその場所を慈しむ人と話をしてこそ伝わる。
そういう旅をつくりたい。

九十九里の旅一泊二日、もう少し暖かくなったら企画してみたいです(^.^)





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