夕方五時過ぎ、エディンバラのロイヤル・マイルど真ん中にあるラディソンホテルBLUにチェックイン。今晩9時からはじまる軍楽隊の祭典「ミリタリー・タトゥー」にむけて、一時間ぐらいは休憩しておかなくては。こういう時には無理に食事を入れるよりも休憩の方が大事なのです。
今回の観覧席はプレミア席を用意した。エディンバラ城の入口が正面に見える。下の写真で赤色になっているシートがそれ↓
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金額は通常ツアーで使う席の三倍近いけれど、それだけの価値があります↓
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20:15、夕暮れのロイヤル・マイルを城に向かって出発!
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プレミア席の券には、プログラム引換券が付けられているので途中で交換
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会場は全席吹きさらし(最上階のロイヤルボック席を除く)。8月といえどもかなり寒くなるので、防寒の用意は必須↓さらに、雨が降っても中止にならない。1950年から一度の中止もないのは、軍楽隊だから? エジンバラで雨が降って中止にしていたら毎日中止か(笑)
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幸い今夜は雨の気配はない
開会まで三十分近くあるけれど、座席はすでにほとんど着席済み。フィールドでは式典がはじまっている。この式典を見ることができたのは、今回の大きな収穫だった↓
「アメリカ●●州からの××マッケンジーさんから、お父さんへ誕生日おめでとう」とか、「カナダ、ハリファックスからの××さん、ご家族から楽しい旅をと伝言です」とか、そんなアナウンスが次々にされている。
フィールドでは各クラン(スコットランドの「家」にあたるもの)固有のタータン(格子柄)のキルト(あのスカートみたいなやつです)をつけたスコットランド貴族(?)たちが続々到着、赤絨毯で迎えられている↓
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そうか、ここは世界中からスコットランド系の人々が集まる場所なのだ。
スコットランドに住む人々だけでなく、何百年か前にアメリカやカナダやオーストラリアなどに移住した人々の子孫も集う。彼らのルーツを確認し、祖国への愛を共有して喜び合える、大切な場だったのである。
ミリタリー・タトゥーの本質は、軍楽隊の祭典よりはコレだ。
スコットランド貴族たちはイングランドに長く弾圧されてきた。キルトの着用を禁止されたり、「ハイランド・クリアランス」という人口を減らす政策もとられた。スコットランド的なものを消そうとされた時代もあった。
けれど、彼らはついに独自の文化を失わなかった。
さっき手に入れたパンフレットには、スコットランドの地図と共に、今も残るクランの紋章が掲載されている↓
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たとえば、アメリカやカナダからやってきたスコットランド系の人々が、ここに祖父や曾祖父から大事に伝わったのと同じタータンを見つけるのだろう。その時、彼らは自分たちのルーツを実感する。「ふるさと」に戻ってきたという感慨が胸に沁みてゆくことだろう。
八年前にはじめて観覧した時、小松はそのことに全く気付いていなかった。
★実際の動画をこちらのページからとべるようにしてあります。どうぞごらんください。