車のドアをあけると熱風が襲ってくる。ラスベガス近郊の「炎の谷」を抜けてザイオンへ向かう午後はあまりに熱かった。ザイオン手前のハリケーンの街のホテルにチェックインして、しばし休憩。太陽が少しやさしくなった頃に再び出発し、ザイオンを目指す。神秘的な空の色はこの時からはじまっていた。
ザイオン国立公園は、自分の車で自由にまわることはできない。公園内のシャトルに乗り換えて、先ずは谷の奥を目指す。
谷のいちばん奥「テンプル・オブ・シナワバ」まで行くと、そこから先は歩いていく道しかない。
少し歩いて、再びシャトルバスに乗る このバスはプロパンガスで動いている。排気ガスが出ないから
ウィーピング・ロックで降りて15分ほど歩く。
トレイルはそこらじゅうにあるが、どこも楽なわけではない。どのぐらいなら我々でも楽しんで歩けるのかを考えてコースを選ぶ必要がある。そこがむずかしい
ウィーピング・ロックはわりに楽に到着できる。
ふたたびビジターセンターに戻るバスをまっていると、山の頂上だけが赤くもえていた。
頂上の部分に、ちいさくみえたこれはなに?
これは、ロッジを補修する樹木を伐採しておろすための場所なんだそうな。言われなきゃわかりません。
ビジターセンターへもどると、夕方の光に雨の気配。形容しがたい紫色の夕暮れがはじまった。
神様はいる。この場所をザイオン(イスラエルの「シオンの丘」と同じ)と名付けたモルモン教徒たちの気持ちが理解出来たような気がした。