通常のパリ観光で行くルーブル美術館で見学するのは、「モナ・リサ」「ミロのヴィーナス」「ナポレオンの戴冠」。もちろんこれら定番も見るべきものだけれど、この大百科事典のような美術館には、ほかにいくらでも楽しめるものがごろごろしている。たとえて言うなら、『大人のおもちゃ箱』である。小松が独断で引っ張り出してお見せします。
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ルーブル美術館が所蔵する古代(紀元後一世紀)のパテナ(この場合礼拝時に使用する平皿を意味する)。 周囲が金と貴石で装飾されたのは10世紀になってから。古代の部分、緑色の蛇紋岩とそこにはめ込まれた金の魚は、荘厳というよりシンプルでかつユーモアを感じさせる。
だいぶ以前の「芸術新潮」で紹介されて知った後、気に入って何度も見に来ていた。しかし、今日ご一緒した方はそれまでとちょっと違った目を持っていて、ひと目見るなりこう言われた。
「緑の海を泳いでいるんですね」
なぁるほどぉ~、そう言われてから見ると、石の緑色が深い水に感じられてきた。何度も見ていたのに私はそういう見方をしたことは一度もなかった。あるいは、これを造った職人はそんな風に見えることも意識していたのかもしれない。
「知っている」ことと「感じられる力」は違う事なのだ。とても感銘をうけました。
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ルーブル美術館が所蔵する古代(紀元後一世紀)のパテナ(この場合礼拝時に使用する平皿を意味する)。 周囲が金と貴石で装飾されたのは10世紀になってから。古代の部分、緑色の蛇紋岩とそこにはめ込まれた金の魚は、荘厳というよりシンプルでかつユーモアを感じさせる。
だいぶ以前の「芸術新潮」で紹介されて知った後、気に入って何度も見に来ていた。しかし、今日ご一緒した方はそれまでとちょっと違った目を持っていて、ひと目見るなりこう言われた。
「緑の海を泳いでいるんですね」
なぁるほどぉ~、そう言われてから見ると、石の緑色が深い水に感じられてきた。何度も見ていたのに私はそういう見方をしたことは一度もなかった。あるいは、これを造った職人はそんな風に見えることも意識していたのかもしれない。
「知っている」ことと「感じられる力」は違う事なのだ。とても感銘をうけました。