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「おしつぶされることを怖れず、祝福された復活を待つ者ここに眠る」
見事な彫刻の「ジュベ」を製作した職人ジャン・ゲルデは1519年この下に葬られ、墓碑にこう刻んでいた。
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※「ジュベ」とは、聖職者席と参列者席を隔てるための壁。今ではフランス全土でも四つ(七つと書かれた資料もあり)しか残されていない。
「おしつぶされることを怖れず」とは、ジュベが重さで崩れることを指しているのだろう。
当時はこういった建造物が倒壊することは珍しくなかった。
完成後一週間、建築責任者が下で寝泊まりすることを課していた教会もある。
ジャン・ゲルデが何歳だったのかはわかっていない。
1492年に職人ギルドに加入し、トロワ大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre-et-Saint-Paul de Troyes)の内装コンペでは落選し、生涯最後の十年間1508年から1517年までの十年でこの仕事をしあげたことから推測すると五十代中頃だったのではないか。
トロワで最も歴史あるマドレーヌ教会に、自分を採用しなかった大聖堂委員会を残念に思わせるようなジュベを、十年かけて完成させた。
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↑16世紀当時祭壇に向かって右側には男性が座っていたから、ジュベも向かって右側に男性の聖人たちが刻まれている↑
**
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マドレーヌ教会はステンドグラスも必見である。
↑「エッサイの樹」はキリストの祖先にあたるユダヤの王たちを画面いっぱいカラフルに描いた16世紀はじめの作品↑
※「エッサイの樹」を主題にしたステンドグラスはシャルトル大聖堂にある12世紀のものが有名。2013年に訪れたブログに少し載せています
三百年後にトロワのステンドグラスを制作した職人も、シャルトル大聖堂の「エッサイの樹」を見ていたにちがいない。
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↑こちらは左下から旧約聖書の「天地創造」↑シンプルな構図ほど青や黄色のステンドグラスの色が生きている。
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↑左下の紋章は貴金属加工職人たちの組合紋章↑このステンドグラスを制作する費用を彼らがまかなったということ。描かれているのは彼らの守護聖人の聖エロワ(エリジウス)の生涯↑
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↑こちらは資金を出した家族の全員が描かれている↑左には主人と息子↑
↑主人は腰から赤い財布を下げており↑中がからっぽなのが見えている↑
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↑左には奥方と娘たち↑
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↑彼はニット業者だったので↑赤いタイツを履いた男が美脚をアピールしている↑
***
16世紀初期にイタリアからルネサンスの影響がもろに感じられる彫刻↓
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↑「シャウスのマスター」とだけ伝わる職人が製作した聖マルタの像↓
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↑手の表現に注目↑左手には怪獣タラスコをつなぐ引綱と聖水、右手にはおぞらく十字架を持っていた。
南フランスには怪獣タラスコ伝説がある。
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↑説教壇への階段下に刻まれたロマネスク・ゴシックの怪獣彫刻も大好きです(^^)
****
教会の建物外に↓英語で言うなら「イノセント・ガーデン(無垢の庭)」がある
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ここには生まれてすぐに亡くなった子供たちが埋葬されてた。
かつて、教会に入ることができるのは洗礼を受けたキリスト教者だけだった。
洗礼を受ける前に死んだことで、子供であっても教会内部の家族の墓にはいることができなかったのである。
今も遺骨が見つかるこの庭には白い花だけが植えられる。
見事な彫刻の「ジュベ」を製作した職人ジャン・ゲルデは1519年この下に葬られ、墓碑にこう刻んでいた。
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※「ジュベ」とは、聖職者席と参列者席を隔てるための壁。今ではフランス全土でも四つ(七つと書かれた資料もあり)しか残されていない。
「おしつぶされることを怖れず」とは、ジュベが重さで崩れることを指しているのだろう。
当時はこういった建造物が倒壊することは珍しくなかった。
完成後一週間、建築責任者が下で寝泊まりすることを課していた教会もある。
ジャン・ゲルデが何歳だったのかはわかっていない。
1492年に職人ギルドに加入し、トロワ大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre-et-Saint-Paul de Troyes)の内装コンペでは落選し、生涯最後の十年間1508年から1517年までの十年でこの仕事をしあげたことから推測すると五十代中頃だったのではないか。
トロワで最も歴史あるマドレーヌ教会に、自分を採用しなかった大聖堂委員会を残念に思わせるようなジュベを、十年かけて完成させた。
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↑16世紀当時祭壇に向かって右側には男性が座っていたから、ジュベも向かって右側に男性の聖人たちが刻まれている↑
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マドレーヌ教会はステンドグラスも必見である。
↑「エッサイの樹」はキリストの祖先にあたるユダヤの王たちを画面いっぱいカラフルに描いた16世紀はじめの作品↑
※「エッサイの樹」を主題にしたステンドグラスはシャルトル大聖堂にある12世紀のものが有名。2013年に訪れたブログに少し載せています
三百年後にトロワのステンドグラスを制作した職人も、シャルトル大聖堂の「エッサイの樹」を見ていたにちがいない。
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↑こちらは左下から旧約聖書の「天地創造」↑シンプルな構図ほど青や黄色のステンドグラスの色が生きている。
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↑左下の紋章は貴金属加工職人たちの組合紋章↑このステンドグラスを制作する費用を彼らがまかなったということ。描かれているのは彼らの守護聖人の聖エロワ(エリジウス)の生涯↑
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↑こちらは資金を出した家族の全員が描かれている↑左には主人と息子↑
↑主人は腰から赤い財布を下げており↑中がからっぽなのが見えている↑
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↑左には奥方と娘たち↑
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↑彼はニット業者だったので↑赤いタイツを履いた男が美脚をアピールしている↑
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16世紀初期にイタリアからルネサンスの影響がもろに感じられる彫刻↓
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↑「シャウスのマスター」とだけ伝わる職人が製作した聖マルタの像↓
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↑手の表現に注目↑左手には怪獣タラスコをつなぐ引綱と聖水、右手にはおぞらく十字架を持っていた。
南フランスには怪獣タラスコ伝説がある。
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↑説教壇への階段下に刻まれたロマネスク・ゴシックの怪獣彫刻も大好きです(^^)
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教会の建物外に↓英語で言うなら「イノセント・ガーデン(無垢の庭)」がある
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ここには生まれてすぐに亡くなった子供たちが埋葬されてた。
かつて、教会に入ることができるのは洗礼を受けたキリスト教者だけだった。
洗礼を受ける前に死んだことで、子供であっても教会内部の家族の墓にはいることができなかったのである。
今も遺骨が見つかるこの庭には白い花だけが植えられる。