旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

「みすてられた島」を観劇

2019-07-06 22:51:58 | 国内
近未来の話である。
人口八千人ほどの小さな島が、敗戦後の日本領土ではないと宣言された。
本土から見捨てられて腹をくくった島民たちが、独立した国をつくろうと新しい憲法をつくろうとする。

荒唐無稽な設定に思えたが、実際第二次大戦後に「大島憲法」と呼ばれるモデルがあったことをはじめて知った。

第二次大戦に負けた五か月後の1946年1月29日、連合軍が発表した日本の領土には伊豆七島は入っていない↓
※こちらからウィキの資料がごらんいただけます

これを見た大島町の住民は「みすてられた」と感じたに違いない。
そして、知恵を出しあって「大島憲法」と呼ばれるようになる草案をつくった。
実際に起きたこの事を、近未来に擬して2014年に書かれた劇の再演だった。

・人口一万人にも満たない島が独立してやっていけるのか?
・島の防衛はどうするのか?
 ※劇中の会話から想定するに、今の日本が「仮想敵国」とする国からの侵略があるかもと怖れている。
・島の人々が独立前に本土へ移住するのを止められるのか

こういった抽象的に見える事象が、劇中の島民を具体的に悩ませる。
・子供を本土の大学に進学させるためには島を出ていくべきではないか。
・就職で「外国人」として差別されないためには本土に行くべきではないか
・独立後の島の経済の為には汚れ物でも工場を誘致するべきではないか

1946年の伊豆七島=大島町の住民はきっと悩んだことだろう。

いや、実はこれらは
日本人全体が考えるべき事なのだ。
観ている我々はだんだんと気付かされてゆく。

いまこそ、多くの日本人に観てほしい劇なのである。
***
★ネタバレになるかもしれない「みすてられる事情」
未来の「敗戦後日本」にも、守ってくれる外国の兵力を置くための場所はどうしても必要である。
日本政府は一度独立させた島々がきっとやっていけなくて「本土復帰」を求めるだろうと予想している。
そうなった時に島の「本土復帰」を承認する条件として、
外国の軍隊の基地をうけいれさせるハラだったのである。

現在、
日本を守る外国の軍隊は一部の県に集中していて、
他地域へ移転させるのは簡単ではない。


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