旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ホクソンの宝

2011-10-08 22:41:11 | イギリス
ロンドン半日観光、13時にピカデリー・サーカス近くのミツコシにて解散。午後自由行動。
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午前中の観光に大英博物館が入っていた。いつものエジプトセクションの他に「どこか皆さんにお見せしたいところがありますか?」とガイドさんに訊かれたので、「イギリスの古代ローマ関係のもの」をお願いした。今回の行程ではハドリアヌスの城壁やバースのローマ風呂博物館で古代ローマに触れているので、関連があるものを見ていただきたいと思ったのである。

これまでも大英博物館所蔵のいろいろな古代ローマ関係のものを解説していただいてきた。が、今回さらにまたおもしろい逸品を紹介していただいた。それは「ホクソンの宝」。
1992年11月、サフォーク州の農夫が農機具を失くしたので、知り合いの庭師で金属探し屋に探索を頼んだ。金属探知機を使って見つかったのは、農機具ではなく銀のスプーンで、同じところに同様のものがまだまだぎっしり埋まっているのが分かった。

この引退した庭師エリックさんが偉かったのは、それを掘り返すことをせずに、そのままの状態で警察へ連絡した事。
金銀のスプーンや大量のコイン、装飾具など、合計1万5千点以上の品々は、樫の木の箱に詰められていたのだが、長い年月で木はすべて朽ち果てていた。もし、エリックさんが昔の宝探しよろしく全部ほじくり返していたりしたら、現在みられるような復元は出来なかっただろう。 箱が朽ちてしまっていても、出土の具合から現在この写真のように上下にどのように収納されていたのかを正確に再現する事が出来たのである。

では、この箱に金銀財宝を詰めていったのは誰か?何の為か?
年代は紀元後407年ごろと推察される。つまり、ローマ帝国がこの地から撤退していった時期にあたる。逃れていくローマのエリートが強盗に襲われた?埋めて隠した?何らかの理由でこれを残すことになった違いない。
コメント
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