「
サドルの表皮貼り替え(6) 皮の成形 その2」の続きです。いよいよ最終回。表皮を接着して仕上げます。

前回皮を固定していたホッチキス等を外します。
但し、貼り付け基準とした後端のホッチキスは外しません。この時点で表皮トリムラインはシビアに決まっているので、表皮がズレるのを防ぐ為です。

表皮はカチカチに固まっているので、サドルソープ等を塗り込み皮を柔らかくして作業をやり易くします。

接着剤をサドルと表皮の両方に塗り、へらで均一に延ばします。
但しこの後、表皮を引っ張るので表皮折り返し部分には、接着剤を塗布しません。

接着剤が半乾き状態になったら、いよいよ貼り付けです。やり直しは効かないので、
一発で決める必要があります。
先ず、サドル長手方向に表皮を引っ張りながら、表皮の裏に引いた中心線とサドルの中心が合うように貼り付けます。それから、左右方向に皮を引っ張りながら、全体を貼り付けていきます。

しまったぁ!中心がズレてしまいました。右側後ろコーナー部のトリムラインが表に出てしまいそうです。もうやり直しは効きません。ここで表皮を剥がすとスポンジも剥がれてしまいます。
仕方がないので渾身の力をこめて皮を引っ張れるだけ引っ張って皮を延ばします。

表皮折り込み部分の接着は、このようにヤバ目の部分から貼っていくのが良いでしょう。表皮とサドルに接着剤を均一に塗ります。

表皮を成形した時の皺に合わせて皮を折り込みながら貼っていきます。貼り終わったら接着剤が乾くまでの仮固定としてホッチキス等で仮止めします。どうにかトリムラインが表に出ないように貼ることが出来ました。
このようにして全周を貼っていきます。

だぁぁ~っ!ここで接着剤が無くなってしまいました。なんて間の悪いこと。急いで近所のホームセンターに接着剤を買いに走ります。(足でね)

ハアッ!ハアッ!ハアァ~・・・買ってきました。車で行って渋滞につかまるよりも、足で走った方が早いンです。多分・・・その筈。

最後に、貼り付け基準とした後端のホッチキスを外して接着します。

コレで接着作業は終わりました。仮止めはこんな感じ。

表から見ると、こんな感じ。この状態で24時間以上接着剤を乾かします。

接着剤が乾いたら仮固定のホッチキス等を外します。裏側はホッチキスの穴だらけになっちゃいますけど、私は気にしません。気になります?

いよいよ仕上げです。先ずは汚れ落とし。今までの作業中に着いた汚れを落とします。
私は、「レザーマスター」の「ソフトクリーナー」というものを使いました。コレ高くて残量も少なくなっていたので、出し惜しみしていたンです。このクリーナーをスポンジに取り、泡立てるようにして表皮の汚れを落としていきます。汚れを落としたら乾いた綺麗な白い布で泡を拭き取ります。そして30分程度乾かし、綺麗な布で乾拭きします。

折角表皮を貼り替えたので、表皮の保護も施しておいた方が良いでしょう。
私は、、「レザーマスター」の「プロテクションクリーム」を使いました。これも高いです。でも使った感じは良い感じ。
クリームに付属のフェルトにクリームを取り、表皮に擦り込んでいきます。そして乾かないうちに余計なクリームを綺麗な布で拭き取ります。プロテクション効果を上げる為、2回程塗り込んだ方が良いでしょう。
30分程乾かして乾拭きするとツヤが出ます。

以上で出来あがり。
品代898円、送料手数料込みで1,713円の
フライトが、新品同様になりました。メイド・イン・イタリーのチタンレールです。
まあ粗もありますが、私としては満足な出来です。