明確な厚塗りの定義というモノはありませんが、大雑把に捉えると一つのレイヤーに塗り重ねアナログのような雰囲気を出そうとする塗り方を厚塗りと言うようです。前回、私がトライした厚塗りがコレ で、アナログっぽさを目指した自分としては気に入った仕上がりとなりました。
しかし、はみ出さないように塗るのが面倒でデジタル環境を生かせてないなと感じました。意図せず下の色が混ざる偶然性による表現幅の広がりってのも感じられなかったし・・・。もっとも、このような不便さがアナログらしさを、かもし出すのかもしれませんが。
作業の効率化の為、線画はベクター線で描いてバケツで色を流し込んでレイヤー分け。塗り込みのみ厚塗りという方法をトライしてみました。
題材は「わたモテ」のもこっち。コミックスの第一巻の表紙絵を、そのまま描いてみました。私の絵は不気味になりがちなので、もこっちらしくなったと思います。
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もこっち by こぶとりらゐど on pixiv
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いつものようにメイキングをGifアニメにしました。サムネイルをクリックするとアニメーションで作画過程が見れます。
①ラフ~ペン入れ
新PCを導入する前に手描きデッサン人形を使って描き始めましたが、面倒くさくなって放置していたモノです。新PCになって3Dデーターをサクサク動かせるようになったので、クリップスタジオに付いてくる3Dデッサン人形を使ってみました。
前述の手描きデッサン人形に対し、3Dデッサン人形は感覚通りに動かせないだろうと思っていまいたが、コレが意外に思い通りになります。特に、このようにパースのついた構図には大変便利。私のように感覚で描けない人には強力な味方になるでしょう。
◎カラーラフ
今までやってなかった(サボってた)工程です。全体の配色、影の落ち方、統一感をみる為、ざっくり色を起きます。模写以外の今までの絵は、出来上がるまでどんな配色になるか分からずデキナリでした。
もっとも、今回のように現実世界に即した絵なら、それなりのところに落ち着くのですが、
ちょっと変わった配色をしようとすると、このように大失敗をやらかします。
しかし今回のカラーラフは時間掛け過ぎです。これも数をこなさないと要領良くできないんだろうなー。
◎キャラの地塗り、レイヤー分け、塗り込み
はみ出しを気にせず塗れるようにパーツごとにレイヤー分けしてます。塗る範囲はバケツで色を流し込んでますが、線画が鉛筆だと範囲の境界がガタガタになり(アンチエイリアスにしても、また閾値色差調整、範囲拡大等しても)塗り足し消し込み作業が必要になる為、線画をベクター線で描き「ベクターの中心で塗り止まる」でバケツで色を流し込んでます。
地塗りから塗り込むと今まで通りの平坦な塗りになってしまうので、各パーツのレイヤーにカラーラフを貼り付け、コレを整えるように塗っていきました。結局、今までと同じような塗りになってしまいましたが・・・。
ところで、地面への落ち影と体への落ち影のツジツマが合ってないンですけど、気が付きました?気がついたのがレイヤーを統合した後だったので、面倒で直さなかったンですけど・・・
◎背景塗り~仕上げ
キャラ塗りと同様の方法で塗り込みます。その後、レイヤーを統合し遠くの塗りがボケて彩度が落ちているような効果を入れます。
キャラも統合し、明るい部分が光っているように見える効果(グロー効果)を入れます。
前回の厚塗りのような仕上がりを狙っていたのですが、それ以前と同じような塗りになってしまいました。その要因は主に写真模写か否かという部分が大きいと思いますが、線画がペンか鉛筆かの違いも影響しているかと思います。逆にレイヤー分けは殆ど影響してないと思います。
次は、この辺を検証できるようなイラストを描きたいと思います。