【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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国宝 阿修羅展-興福寺創建1300年記念-

2009-05-09 00:22:45 | イベント(祭り・展示会・催事)
国宝 阿修羅展

 『国宝 阿修羅展-興福寺創建1300年記念-』東京国立博物館・平成館
                           2009年3月31日~6月7日

 東京国立博物館・平成館で『国宝 阿修羅展-興福寺創建1300年記念-』が開催されています。連日大入りで、4月末時点で開館一か月の入館者が30万人を超えました。

 興福寺創建1300年を記念して消失した中金堂の再建が計画されていて、その記念でもあります。

 何と言っても人気は阿修羅像でその周りは人だかりです。ライトの演出がほどよく、阿修羅の表情はおだやかで、少しばかり頬には赤みがさしていました。1メートル30cmくらいの細身です。360度どこからでも見えるようにステージがしつらえてあります。東京では何とほぼ半世紀ぶりのお目見えです。

 会場は4つに分かれ、第1章「興福寺創建と中金堂壇具」、第2章「国宝阿修羅とその世界」、第3章「中金堂再建と仏像」、第4章「バーチャルリアリティ映像『よみがえる興福寺中金堂』『阿修羅像』」となっています。

 圧巻は第2章です。上記の阿修羅像の他、八部衆、十大弟子像、華原磬(かげんけい)です。八部衆(迦楼羅[かるら]、乾闥婆[けんだっぱ]、沙羯羅[さから]、緊那羅[きんなら]、五部浄[ごぶじょう]、鳩槃茶[くばんだ]、畢婆迦羅[ひばから]は、仏教を守護する「天」です。もともとはインドの神で、仏教に取り入れられ守護神となりました。十大弟子像は、釈迦にしたがった十人の高僧(舎利弗[しゃりはつ]、目犍連[もくけんれん]、大迦葉[だいかしょう]、須菩提[すぼだい]、富楼那[ふるな]、迦旃延[かせんえん]、阿那律[あなりつ]、優婆離[うばり]、羅睺羅[らごら]、多聞[たもん])です。

 これらのうち興福寺には14体が伝存しています。これらが一同にそろったのが今回の展示会ですが、4月21日以降は11体です

 華原磬は、光明皇后天平6年(734)に亡き母、橘三千代の一周忌供養のために造ったものです。たたくと音が出て、これはイヤホンでは聞けました。

 3メートルくらいもある薬王、薬上の2体の菩薩像、安土桃山時代の作とわかった波羅門立像、阿修羅像を発願した光明皇后の母が日頃拝んでいたといわれる銅製の阿弥陀三尊像が出展されていることも素晴らしいです。往時の雅の世界が偲ばれます。とにかく国宝、重要文化財がずらりです。

 興福寺は平城京遷都とともに710年に造営されました。工事の無事と建物の安泰を願って、金銀、真珠、水晶などで作られた多くの工芸品が埋められました。それらが明治3年(1874年)と17年(1884年)に中金堂基壇の須弥壇中から1400点あまりの遺物が出土し、平成13年(2001年)の中金堂の発掘調査でも創建時の鎮壇具と考えられる遺物が出てきたとか。そのうちの何点かの工芸品(水晶念珠、銀匙など)が展示されています。

 なんども火災にあいながら、そのたびに仏像が火災から救われ、いまわたしたちの前にあることを思うと、ジーンときます。

             
 

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