黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『謎解きはディナーのあとで 3』東川篤哉(小学館)

2012-12-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
桐山健作という老人が服毒死した。風邪気味だったという彼は、寝室に籠もっていたが、妻の信子が中を覗くと亡くなっていたという。
先頃、可愛がっていた猫が姿を消していたことに悲観し、自殺したのでないかという妻。
息子の和明は、経営している飲食店の経営状態は思わしくなく怪しいが、アリバイがある。
彼は部屋に籠もる前に、お手伝いに輪ゴムを所望した理由とは……“第一話 犯人に毒を与えないでください”、
国立市と立川市の境界付近の多摩川の土手近くの河川敷で、風祭警部風の格好をしたチンピラの石黒亮太が溺死していた。
第一発見者で、彼を兄貴と慕っていた芝山悟からの情報によると、遠い親戚のおじさんから小遣いをもらっていたらしい。
成城に暮らす神崎正臣が、その人物だと判明。しかし死亡推定時刻には、自宅で家族らと共に花見を兼ねたホームパーティーの最中だったという……“第二話 この川で溺れないでください”、
宝生家に<怪盗レジェンド>と名乗る泥棒から、秘宝・金の豚を戴くと予告状が届いた。
麗子の父・清太郎が所有する、有名な彫刻家・高森鉄斎の作品だが、警察に通報する訳にもいかず、フランス出張中の父に国際電話で相談すると、かかりつけの私立探偵・御神本光一に頼むようにと返事が。
早速駆けつけた彼と、探偵事務所の所員・朝倉美和。さらに二人の所員と、麗子で見張っていたのだが、同じ部屋に置かれていた銀の豚が盗まれてしまい……“第三話 怪盗からの挑戦状でございます”、
立川市で、ひとり暮らしをしている資産家の老婦人・佐々木澄子の変死体が発見された。
発見者は通いの家政婦・丸山美鈴。何故か、食卓の子供用の椅子に座らされていたという。
甥である平沢健二が怪しく、現在無職の彼は、競輪選手だったという。しかし死亡推定時刻には自宅で友人たちと飲んでいて、十五分ほどしか席を外していないという。邸宅までは五キロ離れており、免許を持たない彼やその妻にも往復は無理……“第四話 殺人には自転車をご利用ください”、
カトレア大学に通う女子大生・木戸静香が、国立市の工事現場で変死体で見つかった。
靴やベルトなどなどがなくなっており、直前に出会っていた彼女の後輩・水野理沙は、上目遣いの視線で眸を潤ませていた様子を語った。
物がなくなっていたのは、何か目的の物を持ち去るためのカムフラージュだと思われたが……“第五話 彼女は何を奪われたのでございますか”、
国立周辺にアパートを所有する資産家・清川隆文が、自分の邸宅で殺害された。
凶器は木刀で、妻・芳江の部屋には荒らされていた形跡があった。
夫婦仲は冷えきっていが、夫が居候させていた新島喜和子も怪しく……“第六話 さよならはディナーのあとで”の六話収録。

シリーズ第3弾。
概ねいつものパターンで展開してますが、ちょっと怪盗モノっぽい変化球もあったり。
六話で“さよなら”になったヒトは戻ってくるのか、舞台が変わるのか、別のヒトがやってくるのか…(このまま完結ではないような気がする/笑)。

<12/12/29,30>