黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『夏服パースぺクティヴ  樋口真由“消失”シリーズ 少女洋弓銃殺人事件』長沢樹(角川書店)

2012-12-07 | 読了本(小説、エッセイ等)
夏休み。私立都筑台高校2年生で、ふたりしかいない映画研究部の部長・遊佐渉は、葦原女学院高校の映像文化研究部に所属する幼なじみ・御津矢秋帆に誘われ、もうひとりの部員である1年・樋口真由を伴い、新進気鋭の女性映像作家・真壁梓の撮影に参加することに。
葦原女学院高校に通う、丘崎晴花と矢窪日奈子の女子高生二人組の音楽ユニット<HAL Project>の新曲『空蝉乙女』のPV撮影とともに、そんな彼女たちを撮影する映研のメンバーや出演者…映像班チーフで撮影監督をする秋帆、映研部長で文芸班チーフ、有名人の両親を持つ永井美鈴、副部長で美鈴の補佐的役割の桐野真琴、PVに出演する男子高校生で雑誌『ラブティーン』の読モの佐伯圭史、PVに出演する女優・名塚佐織らを追うセミドキュメント「夏服とフリッカー」を撮影する、という趣向。
やってきたのは、廃校となった中学の校舎を改装して作られた、山の中のスタジオ。「夏フリ」の為の、作為的なアクシデントも孕みつつ撮影が進む中で、やがて事件が……

前作『消失~』と同様、真由が探偵役の続編。話的には別モノなので、読んでなくても支障は…ないかな。“シリーズ”と銘打たれてるので、今後も続くのかも。
PV撮影と、それを撮るセミドキュメント撮影という作中作めいた状況の中で事件が起こるミステリですが、事件が起こるのはだいぶ後。半分以上は、撮影に入るまでの登場人物たちの心理描写や、今回の事柄に関わってくるかつて起きた少女監禁事件のことなどが仄めかされつつ描かれています。
さわやかな表紙とはうらはらに、今回もいろんな意味でちょっと重いかな;
前作をきれいさっぱり忘れていたので、何か重要なことを見落としてるなぁと思いつつ、読み終えたのですが……そういえばアレでしたね(笑)。

<12/12/5~7>