黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『一鳳を得る 御算用日記』六道慧(光文社)

2012-12-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
文化八年二月。慌しく江戸へやってきた伊智は、能州への帰路に着き、冨美と三紗に『お心肥』を残していった。
ある日、永代橋を通りかかった生田数之進と早乙女一角は、橋から身投げしようとしている男を助ける。湯屋の主・市蔵で、幼い娘・おせつも亡くし、妻も家を出、おまけに近くに新しい湯屋ができたことから、客が来なくなったこともあり、悲観してのことだった。そんな彼の為に、千両知恵を出すことになった数之進。
そんな中、幕府御算用者としてふたりが潜入することになったのは、出羽国花沢藩の藩邸。しかしいつもと違い、上司である両目付の鳥海左門や村上杢兵衛の姿がなく、指示がもらえず不安に陥る。
前藩主が一昨年の暮れに急逝し、嫡男である矢島筑前守政純が藩主の座についていたが、何故か未だ将軍への“お目見え”を果たしていないのだという。その一方で江戸家老・山岡鹿之介は、自らが藩主であるかのような振る舞いをし、藩士たちを懐柔していた。
一角は家老側の方に入り込み様子を探ることにし、数之進は賄い方のお松と親しくなり「どんどんの法」を授ける。
やがて政純とも目通りが叶い、盆栽話で盛り上がる数之進だったが、どこか違和感を感じる。政純には二つ上のよく似た美しい姉・五瀬がいるというのだが……

シリーズ第七弾。今回の潜入先は、藩主になったのに何故か将軍へのお目見えを果たしていない花沢藩。やがて疱瘡にかかったという藩主は既に亡く、姉と入れ替わっているのでは?という疑惑が浮上…という流れの中、鳥海さまたちが諸事情で数之進たちに指示が出せない状況だったり、偽御算用者が出てきたり、数之進が湯屋の主を助けたり、お多恵ちゃんの出番が多めだったり、他にもいろいろ盛りだくさんな巻でした(要訳しにくい/笑)。
最後はちょっと切ないなぁ;

<12/12/10>