黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『まほろ駅前番外地』三浦しをん(文藝春秋)

2009-10-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
まほろ駅前で便利屋<多田便利軒>を営む、多田啓介と、彼の元に転がり込んでいる元同級生・行天春彦の元に、突然やってきた女・宮本由香里。
婚約者からティファニーの0.45カラットのエンゲージリングをもらったのだが、中学の同級生で、同僚の武内小夜が、同じデザインの0.75カラットの指輪を買ってもらったのだという。
彼女が、そのエンゲージリングをしてるところを見たくないという由香里から依頼を受け、別件で依頼を受けた、小夜の部屋の掃除のついでにこっそり盗み出すことに……『光る石』、
午前六時に目が覚めた星。マンションの十五階に一人暮らしをしている彼のところには、新村清海が転がり込んでいる。
猫を飼いたいという清海と口論になり、つい余計なことを言ってしまう星……『星良一の優雅な日常』、
若い頃は、<まほろばキネマ>の菊子といえば、町で知らぬもののない看板娘だったという、曽根田のばあちゃん。そんな彼女の思い出話に付き合う行天。
時代は戦争に突入、まほろ市は辛くも戦災は免れたが、戦争が終わる年の春に駅前で火事に遭ったという。
やがて許嫁の曽根田建材店の息子は出征し、ある日、彼女はやくざに追われるチンピラに出逢う……『思い出の銀幕』、
岡夫人には近ごろ、三つの心配事がある。一つめは嫁いだときに姑が植えてくれた椿が元気がないこと、二つめは夫の、横浜中央バスの運行状況への執心、三つめは多田便利軒の二人が仲違いをしていることだった。
そんな彼女は、行天の名を知り、15年前のある情景を思い出すが……『岡夫人は観察する』、
以前学習塾の送り迎えをして貰った縁で、多田たちと知り合った小学生・田村由良。
両親とともに出かける予定だったが、2人とも用事ができてお流れに。
ひとりでバスに乗っていると行天に追ってきた。どうやら同窓会に行きたくないらしい彼とともに、一緒に遊ぶことに……『由良公は運が悪い』、
柏木亜沙子という女から遺品整理の依頼を受けた多田。教えられたアパートに置かれていたのは、脈絡がないが、きっちり分類された品物ばかり。
しかし彼女はその場に現れず、たまたま居合わせた、星は彼女の正体を知っている様子。
部屋の持ち主はレストランチェーン<キッチンまほろ>の社長・柏木誠一郎で、依頼人は彼の年の離れた妻だった……『逃げる男』、
新年を迎えて三日。静かな正月を過ごす多田は、行天とともに食事に出かけ、キッチンまほろで亜沙子に再会する。そんな彼女が気になりつつも、気持ちを押し込める多田。
そんな中、まほろ市つきみ台の田岡という男から、彼が出張の間、インフルエンザにかかった妻の代わりに娘の美蘭の為に食事と世話を頼まれて……『なごりの月』の7編収録の短編集。

『まほろ駅前多田便利軒』の続編というか、スピンオフ?
亜沙子さんは今後も登場しそうな気配、というか作品自体続きそうな感じなので、ちょっと楽しみです♪

<09/10/26>