岩手県の太平洋岸にある小金牛村から盛岡へ向かう峠の一つである雲上峠、別名・磔峠の展望台の朽ちかけたベンチに生首が置かれているのが発見された。
被害者は地元の名士である、鬼怒川義勝……年商総額三十億にのぼる会社をいくつも経営し、漁協でも大きな力を盛っていた彼だったが、先頃、定置網漁占有を理由に役員を解任されていた。
そんな彼の遠い親戚にあたる正行は元村長だったが、義勝の策略で正行が辞職させられたという噂もあったという。
早急に事件を片付け、マスコミに対して自分の有能さをアピールしたがる、釜石南署刑事課課長・小清水警部。そんな上司に対し、異を唱える強行盗犯係長・藤田警部補。
一方、事件について追う事になった、魁時新聞社で働く若手新聞記者・一方井将棋は、薪能の取材で顔見知りの鬼越神社の宮司・御堂和文に話を聞きに行き、そこで彼の娘で、東京から一時帰郷していた安海と出会う。
彼女の周辺では、正行の息子で、ニートの成一がうろついていた。
そんな中、第二の事件が発生……義勝の従弟である須賀静三が被害者に。第一の事件同様に、首を切られていた。そして事件は思わぬ方向へと進み……
シリーズ第3作。
途中、成一の話が長すぎて、元がどんな事件だか微妙に忘れがちに(笑)。
個人的に、帯にある“普段はクールな若手新聞記者”というのが……一体どのへんがクールだったのか、謎(笑)。
<09/10/9,10>